元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーが、タイトル争いの主導権を守るためにマクラーレンへ「今すぐチームオーダーを導入すべきだ」と提言した。ダナーは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが勢いを取り戻す中で決断が遅れれば「タイトルを奪われかねない」と警告している。

ダナーは、現状のドライバーズ選手権でオスカー・ピアストリがランド・ノリスに対してポイントリードを保っている構図を踏まえ、チームが優先順位を明確にしないまま“フリーに戦わせる”方針を続ければ、ドライバーズとコンストラクターズの双方のタイトルを失うリスクがあると主張した。

マクラーレンは今季、基本方針として「2人を同等に戦わせる」姿勢を示してきたが、激化するタイトル戦線の中で、誰を第一順位に据えるか”の意思決定が問われている。シーズン序盤には「チームオーダーの不在」を擁護する発言もあったが、方針の揺らぎは判断のタイミング次第で選手権の帰趨を左右しかねない。

ダナーは「今が正念場」という立場を繰り返し示しており、アンドレア・ステラ代表が迅速に主導権を握れるかが最大の焦点だ。イモラ以降、チーム内バランスを重んじる姿勢を明かしてきたステラだが、フェルスタッペンの追い上げとミスの許されない終盤戦を前に、現実的なタイトル戦略へ舵を切れるかが試される。