
ハンガリーGPを終えて、マクラーレンのCEOザク・ブラウンはドライバーとチーム全体の働きを称賛し、「これ以上ないほど完璧に近いパフォーマンスだった」と喜びを語った。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが今季7回目の1-2フィニッシュを達成し、チームは夏休みを最高の形で迎えた。
ノリスは3番グリッドからスタートし、1ストップのオルタネイト戦略を最大限に活かして、2ストップ戦略だったチームメイトのピアストリを逆転した。序盤はシャルル・ルクレールの背後で2番手を走っていたピアストリだったが、2回目のピットストップ後にルクレールを難なくオーバーテイク。しかし終盤、チームメイトのノリスを追い詰める時間は残されていなかった。ノリスは摩耗したハードタイヤを巧みに使い切り、わずかなリードを守りきった。
このハンガロリンクでの勝利において、ブラウンはドライバーの走りだけでなく、戦略担当者や1.9秒のピットストップを2度決めたクルーの働きにも大いに満足していた。この記録は、2023年カタールGPでチームが打ち立てた1.8秒にわずか0.1秒差に迫るものだった。
「最高の形で夏休みに入れるね」とブラウンはSky Sports F1に語った。
「レースで完璧なんてことはないけれど、今日のパフォーマンスはそれに限りなく近かったと思う。ドライバーは素晴らしかったし、ピットストップも驚異的だった。戦略も完璧だったし、ランドをあの位置まで押し上げた。オスカーも素晴らしいドライビングを見せてくれた。このレースチームを心から誇りに思うよ。」
ただし、終盤の接戦はマクラーレンのピットウォールにとっては手に汗握る展開だった。今回はホイール・トゥ・ホイールの直接対決こそなかったものの、ピアストリが唯一のチャンスでロックアップを喫した場面は、チームにとっては「心臓が止まりそうになる瞬間」だった。
「レース前にしっかり話し合っているし、彼らも自分たちが何をしているのか理解している」とブラウンは続けた。
「ルールも承知しているし、これまで一度も危うい場面を作っていない。それこそが僕たちが求める姿だ。今回はランドが勝ったけれど、次はどうなるか分からない。彼らがいかに拮抗しているかを物語っているね。」
ノリスはスタート直後にフェルナンド・アロンソとジョージ・ラッセルに抜かれてしまい、結果的に戦略が変わったが、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、ふたりのドライバーの走りに優劣はなかったと明言した。
「ランドとオスカーは、F1の世界でもトップレベルのレースクラフトを見せている」とステラは語った。
「毎回、僅差で決まるような戦いだし、今日もどちらかが突出していたわけではない。
ランドは違う戦略で空気のきれいな状況を多く走れた。オスカーはしばらくルクレールの後ろにいたことで少しタイムを失ったかもしれないけれど、どちらも最高レベルのレースを見せてくれた。
僕は驚いていない。彼らはどちらも素晴らしいドライバーだし、レースごとに成長している。この調子でシーズン最後まで伸びていくと思う。」
今回のレースではルクレールも長く上位を争い、メルセデスのラッセルも表彰台を獲得した。今後もマクラーレンにとって簡単な戦いではないが、ステラはチームがチャンピオンシップ争いにおいて、ふたりのドライバーの接戦をしっかりとコントロールできていることに満足している。
「これはF1レースの本質を称える素晴らしい戦いだと思う。マクラーレンの価値観を体現しているし、願わくば、今後もこの2人のドライバーの間で決着がつく展開が続いてほしい」とステラは語った。
「とはいえ、今日のレースの2/3ではフェラーリも勝利を争っていた。これからのシーズン後半戦も、きっと見応えのある面白い戦いになるはずだ。」