アブダビGPでキックザウバーのバルテリ・ボッタスと周冠宇がそれぞれの最後のレースに挑んだが、波乱の展開に見舞われた両者はそれぞれのF1キャリアの未来について語った。ボッタスは「まだ終わりではない」と断言し、周も復帰への意欲を示した。
ボッタス、波乱の最終レースでDNF
ボッタスは予選で見事な走りを見せ9位からスタートしたものの、1周目の混乱で流れが一変した。セカンドシケインでの多重接触に巻き込まれ、セルジオ・ペレス(レッドブル)と接触。これによりマシンにダメージを負い、さらに10秒のペナルティが課された。
「理想的な終わり方ではなかったが、これもレースだ。1周目からすべてがうまくいかなかった。」
「あの接触で後方に下がり、ペナルティも受け、さらにケビン(マグヌッセン)との接触もあった。これは私のミスだった。古いタイヤで守ろうとしたが、ブレーキが効かず止まりきれなかった。」
マグヌッセンとの接触でマシンの損傷が深刻化し、ボッタスは無念のリタイア。その後、次回のレース出場時に適用される5グリッド降格のペナルティも課された。それでもボッタスは、「まだ終わりではない」とF1への復帰に意欲を見せている。
「こんな形で終わりたくない。だから私はまだF1を続けるつもりだ。」
周冠宇も厳しいレース展開
一方、周冠宇はスタート直後にフライングの判定を受け、5秒のタイムペナルティを課された。その影響でポイント圏内に食い込むことができず、13位でレースを終えた。しかし、周もまたF1への復帰に希望を持っている。
「私の気持ちは少し他のドライバーとは異なるかもしれない。自分が見せられたパフォーマンス、そして適切なマシンが与えられたときの結果を考えると、まだF1に戻れる可能性があると思っている。」
「来年でなくても2026年にチャンスが来るかもしれない。そのために完全に準備を整え、復帰の時を待ちたい。」
キックザウバー、変革の中での苦闘
2025年に新たなドライバーラインアップへ移行するキックザウバーにとって、アブダビGPはボッタスと周に別れを告げる場でもあった。両者がそれぞれF1への熱意を語る中、ファンとチームメンバーに対する感謝も忘れなかった。
アブダビGPは二人にとって苦い結果となったが、その言葉にはF1への情熱と未来への希望が込められていた。彼らの再挑戦に期待が高まる。