
2025年ベルギーGPでの、慎重すぎるウェットコンディションへの対応、長かったスタートディレイの判断に、非難の声が上がっている。
レッドブルを含む複数のチームがウェット仕様で賭けに出たにもかかわらず、レースは激しい雨が過ぎ去った後まで遅延された。結局、セーフティカー先導で数周を走ったのち、ローリングスタートで始まった。
「ああやって美しいクラシックな雨のレースを台無しにするんだ」とフェルスタッペンは語った。
「『完全に乾くまで待って、スリックでスタートしよう』って言った方がマシだったよ。そんなの、雨のレースとは言えない。」
FIAとはたびたび対立してきた4度のワールドチャンピオンは、今回も激しい言葉で批判した。
「彼らはただ自分たちのやりたいようにやってるだけだ。彼らが決めるんだよ」とフェルスタッペンは話した。
「全員にとって本当に残念だ。もう昔みたいな本物の雨のレースなんて見られない。」
レッドブルのマルコも同様に厳しい口調だった。
「手順全体を見直す必要がある。セーフティカーで2〜3周走れば、路面の水は十分に掃けて、1時間は早くレースを始められたはずだ。」
そして、今回の遅延がレッドブルの戦略を台無しにしたと付け加えた。
「ウェット用に組んだ戦略が全く意味をなさなくなった。何も問題がなければ、安全なレースになっていたはずだ。」
FIAのレースディレクター、ルイ・マルケスには、複数のパドック関係者やメディアからも批判が集中した。スペインMarca紙はこの遅延を「F1史上最大のナンセンス」と評し、デンマークEkstra Bladetは「F1の不気味な躊躇」と酷評した。Viaplayの解説者で元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンも厳しい意見を述べた。
「この程度の天候で走れないようじゃダメだ。このスポーツは危険なものだし、それを受け入れる覚悟がなければ、そもそも間違ったスポーツにいることになる。」
一方で、慎重な判断を支持する声もあった。フェラーリのシャルル・ルクレールは、過去の出来事を忘れてはならないと語った。
「このコースでは、過去に起きたことを考えれば、忘れてはいけないと思う。無理するより、安全を選びたい。」
レースを制したオスカー・ピアストリも、視界不良の危険性を訴えた。
「前にランドしかいなかったけど、それでも全く前が見えなかった。後方のドライバーたちがどんな視界だったかは想像もできない。」
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の共同代表を務めるカルロス・サインツは、スパでの過去の悲劇を踏まえ、今回の判断は正しかったと語った。
「この場所での過去を考えれば、リスクを取りすぎるよりは、安全すぎるくらいの方がいい。」
しかし、7度の世界王者ルイス・ハミルトンはフェルスタッペンに同調し、FIAの反応を「過剰」と断じた。
「僕はずっと『もう行ける』って言ってた。前回(シルバーストン)では『すぐ始めるな』って言ったら、今回は真逆の反応だった。」
「フェルスタッペンの意見に完全に同意する。スタンディングスタートでも問題なかったはずだ。グリッドはほぼ乾いてたし、その先もスプレーはほとんどなかった。」
ニコ・ヒュルケンベルグも、長すぎる遅延は雰囲気を冷ましてしまったと話した。
スペインSoy Motorのヘスス・ムニョスは、次のように嘆いた。
「我々のF1が奪われた。そして最悪なのは、今後もっと悪くなると確信していることだ。」