レッドブルの“2台目”問題について。元F1ドライバーで解説者のマーティン・ブランドルは、打開策として「規則が許すならレッドブルは1台体制にし、セカンド候補3人をレーシング・ブルズで走らせるべきだ」とコメントした。セカンドに座る者は誰であれ苦戦する――という現状への痛烈な皮肉であり、同シートの構造的難しさを浮き彫りにした提案だ。
その渦中にいるのが角田裕毅だ。今季序盤の昇格後は適応力や技術的フィードバックを評価する声があった一方、結果面では起伏が残り、次期体制を占う論調は厳しさを増している。直近の報道では、角田の競争相手としてイサック・ハジャーの名が挙がり、ポイント成績でも後れを取っているとの指摘がある。残る数戦(ブラジル、ラスベガス、カタール、アブダビ)での巻き返しが去就の鍵を握るとの見立てだ。
今季開幕でローソンへのスイッチで失敗した経験からか、チーム側は入れ替えには慎重で、最終判断はシーズン終了時とみられている。とはいえ、勢力図が目まぐるしく変わる現状では、評価軸も刻々と更新される。ブランドル案は現行規則下では現実味に乏しいが、レッドブルの“2台目”が抱える根源的課題を突きつけた。角田にとっては、残りの週末で数字と内容の両面を示し切れるかが最大の審判となる。

