マクラーレンのザク・ブラウンCEOが、米国GPのスプリント初角で起きた接触を巡り、ニコ・ヒュルケンベルグに直接謝罪したことが明らかになった。発端は、オスカー・ピアストリが1コーナーでヒュルケンベルグと交錯し、そのはずみでランド・ノリスと絡んで両マクラーレンが脱落した一件だ。

直後のインタビューでブラウンは「アマチュアじみたドライブ」と痛烈に批判していたが、映像とデータの精査後に評価をあらため、サウバー陣営へメッセージを送り、ヒュルケンベルグ本人にも面と向かって非を詫びたという。競技サイドはこの事故を「レーシングインシデント」と判断しており、責任の一方的断定は成り立たない。タイトル争いの渦中で味方2台を失ったマクラーレンにとって痛恨の結末だったが、トップ同士の攻防が激化する今季の文脈では、感情に走った発言を素早く修正し、ライバルへの敬意を示したブラウンの対応は健全だと言える。

スプリントでの不運は結果として受け止め、メキシコへ向けてセットアップとオペレーションを立て直せるかが次の焦点だ。経緯を伝えたサウバー側首脳は、謝罪が直接なされた事実を認め、火種の早期沈静化に言及している。 インシデントそのものの経緯については各メディアも混戦の1コーナーで起きた偶発色の強い接触と総括されている。