レッドブルのマックス・フェルスタッペンがモンツァ、バクーと連勝し、2025年シーズンのドライバーズタイトル争いに再参戦したのか——この問いがメディアで熱を帯びている。バクーでは首位走行中のオスカー・ピアストリがオープニングラップでクラッシュし、フェルスタッペンが首位を逃さず今季4勝目を挙げた。これによりピアストリとフェルスタッペンの差は「69点」まで縮まった。

ここ数戦、フェルスタッペンはスタート局面の乱戦をいなし、必要な場面でタイヤを温存し、ピットインのタイミングも外さない“フェルスタッペンらしさ”を取り戻しつつある。本人もタイトルの可能性について意識し始めただろう。対するライバルは、マクラーレンが週末ごとの当たり外れを抱え始めている。

とはいえ、結論を急ぐのは早計だ。ストリート寄りのサーキットや縁石乗りが問われるレイアウトでは、依然としてマシン特性の噛み合わせが勝敗を左右する。残るカレンダーに高速・中高速の複合が多いこと、そしてセーフティカー運にも左右されるだろう。復帰の兆しは確かだが、王座戦線への完全復帰を証明するには、次の2〜3戦での安定した勝点獲得と、異なる路面条件での再現性が不可欠だ。タイトルの扉は半分開いた。押し切れるかは、これからの週末が決める。

この流れを本格的な反撃の狼煙と捉え始めているメディアは多いが、「潮目が変わり得る」という指摘とともに、「逆転の確率自体は依然低い」という評価も多い。