
マックス・フェルスタッペンが2026年もレッドブルに残留する意志を表明したものの、オランダの専門家や関係者たちは「チーム内は決して安泰ではない」と警鐘を鳴らしている。
元レッドブルドライバーのロバート・ドーンボスはZiggo Sportに対し、フェルスタッペンの無線から彼の限界が伝わってきたと語った。
「無線を聞いていれば、彼が完全に嫌気が差していたことが分かる。『苦しい』という言葉にすべてが込められていた。だからエンジニアが無言になった瞬間があったんだ」
さらに、ドーンボスはハミルトンに対する大胆なオーバーテイクも「苛立ちの現れだった」と指摘した。
「彼はやりすぎ寸前だった。信じられないほどのリスクを背負っていたよ。それはつまり、彼が“持っているもので限界まで攻めるしかない”と思っていた証拠だ。だけど、マシンには速さがなかった」
一方、ユウキ・ツノダが「フェルスタッペンとの差が縮まってきた」と語ったことに対し、元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは『De Telegraaf』でこう反論した。
「マシンの調子が悪いときに、ユウキとマックスの差が縮まるのは興味深い」
アルバースはフェルスタッペンが週末を通して明らかに不満を抱えていたと述べた。
「オンボード映像を見れば、マックスが苦しんでいたのが分かる。コーナーの中盤でのアンダーステアは信じられないレベルだった。彼はそういう挙動を嫌うんだ」
ジャック・ヴィルヌーヴもLa Gazzetta dello Sportで、レッドブルのオフ・トラックの混乱がパフォーマンスに影響していると語った。
「チームで内戦があった。ヘルムート・マルコとヨス・フェルスタッペンがクリスチャン・ホーナーに勝ったが、彼ら全員が結果的にチームを弱体化させたことは間違いない」
ドーンボスも、そうした問題に即効性のある解決策はないと見ている。
「3時間もフルで走れるプラクティスがあって、それがスプリント週末じゃないにもかかわらず、バランスが見つけられないのは深刻だ。ヘルムート・マルコは“たまたまだ”って言ってたけど、これは偶然じゃないよ。マルコはいつだって自分のチームに楽観的なんだ」
8月の夏休み明け最初のレースは、フェルスタッペンの母国オランダGP・ザントフォールト。オランダの名物解説者オラフ・モルは辛口の見立てをしている。
「ザントフォールトに来るファンをがっかりさせたいわけじゃないけど、展開はハンガリーと同じようなものになると思う」
それでも、ドーンボスはやや前向きな見方を示した。
「ザントフォールトは“オールドスクール”な高速コーナーの多いサーキットだ。そういう難しい状況では、ドライバーの力が結果を左右することもある」
それでも彼は、フェルスタッペンが決していい気分で夏休みに入ったわけではないと語った。
「あれじゃあ、気持ちよく夏休みに入るなんて無理だよ」