先週、マックス・フェルスタッペンが、ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)をフェラーリ296 GT3で走行した。ニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)のテストセッションに参加し、マシンには「フェルスタッペン・ドットコム・レーシング」のロゴと、“フランツ・ヘルマン”という偽名が記されていた。

他のマシンのオンボード映像では、フェルスタッペンのマシンが高速で次々と他車を追い抜いていく様子が確認されている。そしてフェルスタッペンは、GT3カテゴリーの公式ラップレコードをわずかに上回る7分47秒というベストタイムを記録したと報じられている。

レッドブル首脳陣は、これを快く思っていない可能性がある。そう語ったのは元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーだ。

「僕が思うに、彼は7分35秒を出していたはずだ。あれは本当にすごいタイムだ。まさに驚異的だよ」

元F1ドライバーのティモ・グロックも、彼の速さに驚きを見せた。

「僕が聞いた話では、彼は最初か2周目にはもうトップレベルのタイムを出していたそうだ。きっとかなりシミュレーターで走り込んでいたんだと思うけど、それでも彼の才能を再び証明する内容だったよ。新しいマシンにもすぐに順応してしまうんだ」

複数のメディアの報道では、フェルスタッペンは2026年から導入されるF1の新レギュレーションを見据え、来年1年間の休養を取る可能性があるという。その間にGT3カテゴリでのレース出場も視野に入れており、今回のノルドシュライフェ走行は、特定のライセンス取得に向けたステップとされている。

しかし、シューマッハはこれには懐疑的だ。

「彼はすでにGT3チームを持っているけど、それでもF1を辞めるにはまだ楽しすぎていると思う。父親になったばかりでも、すぐにマイアミに飛んでレースをしている姿を見れば、それは明らかだろう。彼は今でもF1を楽しんでいるよ」

そして明確なのは、フェルスタッペンのF1チームにとって、このノルドシュライフェでの走行は好ましいものではなかったという点だと、シューマッハは語った。

「もし僕がマックスのチーム代表だったら、ノルドシュライフェでの走行をあまり歓迎しなかっただろうね。多くの人には気に入らないコメントかもしれないけど、あのコースは信じられないほど危険だ。特にあれだけのスピードで走っていればなおさらだ。でももちろん、マックスが他の誰よりも運転がうまいことは皆わかっているさ」