メキシコGPを3位で終えたマックス・フェルスタッペンは、タイトル争いの現実を冷静に見据えた。首位に立ったランド・ノリスとのポイント差は拡大し、週末の収穫は「十分ではなかった」と総括した。
「ランドに対して10点を失った。優勝を狙うには、週末の全てが完璧である必要があったが、今回はそうならなかった」
レース前から「残りは完璧な連勝が必要だ」と語っていたフェルスタッペンだが、予選から一貫してグリップに苦しみ、決勝でも速さが足りない局面が顔を出した。
「僕らは全ての状況で速いわけではない。それをもっと理解しなければならない」
そんな反省が、今季の正念場に差し掛かった王者の言葉ににじむ。一方、勝者ノリスはピアストリを抜きドライバーズ首位へ。フェルスタッペンは、数字上は前進しながらも実感は伴わなかった。「4点の回収では足りない」という本音は、残り数戦での逆転には毎戦での主導権奪回が不可欠であることを示す。
ただし希望もある。直前5戦で4勝(うちスプリント含む)を重ねた加速力は健在だ。課題は再現性と適応力、そしてセットアップの精度である。王者は悲観せず現実を見据える。
「厳しいだろう。でも次のサーキットで何ができるか見てみよう。もう同じ週末は繰り返さない」
