
マックス・フェルスタッペンが、F1 CEOステファノ・ドメニカリが示唆した「将来的にレース距離を短縮する案」に反対の立場を表明した。
ドメニカリは、今後スプリント週末を増やす可能性とともに、現在のグランプリが「若い観客にとっては少し長すぎるかもしれない」と述べ、レース距離短縮のアイデアに言及していた。
F1の決勝はモナコを除き、約305kmの距離で長年続けられてきた。モンツァで取材に応じた一部のドライバーは短縮案に前向きな姿勢を見せたが、フェルスタッペンは異を唱えた。彼は「レースには時間が必要であり、常に刺激的である必要はない」と語り、従来のフォーマットを守るべきだとの考えを示した。
「ノーだ」とフェルスタッペンは、短縮案に賛成する“多数派”に属するかどうか問われて答えた。
「みんな僕がスプリントレースについてどう思っているかは知っているよ。でもレースの長さは、今のままでいいと思う。」
彼はさらに、試合やレースには盛り上がりがある時もあれば退屈な時もあるのが自然だと強調した。
「時には1時間半、時には2時間近くになることもある。他のスポーツでも、すごく面白い試合もあれば、退屈で眠くなる試合もある。それがスポーツだ。常に面白くしようとすれば、それは逆に退屈になる。予想外だからこそ、面白くもあり退屈にもなるんだ。」
フェルスタッペンは自身を「伝統派」と称し、距離をいじるよりもチーム間の競争力格差を縮めることの方が大事だと語った。
「僕は伝統を重んじるタイプだ。大事なのはチーム間の差がもっと縮まることだ。そうなれば自然とレースは増える。シーズン全体を見れば、マクラーレンを除けばそれほど悪くはない。ただ今のマシンでは接近戦が難しく、DRSの列にハマってしまうことがある。」
また短縮案の利点を問われると、笑みを浮かべながらこう答えた。
「ポジティブな点? あるよ。みんながもっとお金を稼げることだね。」
ただしファン目線での改革には理解を示しつつも、行き過ぎには警鐘を鳴らした。
「僕の考えは前から変わらない。でもなぜやろうとしているかも理解できるし、その日をもっとエキサイティングなプロダクトにしようとしているのも分かる。ファンがサーキットに来たとき、ただ練習走行を見ているよりも、レースを見る方が興奮するのは当然だ。でも僕らにとっては練習も重要だし、F1は1950年代からずっとそういう形で続いてきた。スポーツは進化するけれど、やりすぎてはいけない。僕からすれば、スプリントレースの導入だけでも十分にクレイジーだと思っている。」