
F1ハンガリーGPはレッドブルにとって、パフォーマンス不足は明らかで、マックス・フェルスタッペンは予選Q3には進出したものの、トップ5には届かなかった。角田裕毅も同様に苦戦を強いられた。
金曜日から土曜日にかけての巻き返しは起こらず、レッドブルは問題の根本的な原因を突き止めることができなかった。バランスの問題ではなく、グリップ不足が深刻で、ハンガロリンクのようなサーキットでは車の根本性能に関わる問題だったと見られる。
決勝レースではフェルスタッペンが序盤に2台を抜いたものの、その後は苦戦が続いた。ガブリエル・ボルトレートの後ろで足止めされ、戦略変更も効果をもたらさなかった。後半ではリアム・ローソンの背後に引っかかり、最終的には9位でフィニッシュするしかなかった。
「分からないけど、それが僕らの最大の問題というわけではないと思う。週末を通して、僕らは本当に遅かった。低速でも中速でもグリップに苦しんでいた。それがレースでの問題でもあった。何をやっても、引っ張って走っても、結局は苦戦していたはずだと思う」
「いくつかのアイデアはあるけど、それは言えない。正直なところ、まだ分からない。そう言うのは簡単だけど、検証する必要がある。とにかく今週末は速いクルマがなかった。それが問題だ(リアムを抜けなかった理由)。早めのピットストップについては、2つの要因が重なったと思う。タイヤに苦しんでいたし、グリップも悪くてスライドしまくっていた」
「とにかく渋滞にハマってしまった。新品タイヤでも低速コーナーでグリップがなかったんだ。みんなに低速コーナーで離されてしまって、全然アタックできなかった。本当に難しいレースだったよ」
フェルスタッペンはレース中、ルイス・ハミルトンを抜こうとした場面で際どい瞬間があった。レース後にスチュワードは調査を行ったが、ハミルトン本人が出席せず、最終的に「調査不要」と結論付けられた。
「何も起きてないんだ。接触すらしていない。それなのにレース後に調査っていうのは、ちょっと理解できない。ルイスは来なかったけど、僕らはそれぞれの話を説明した。ルイスもたぶん、大したことだとは思っていなかったんじゃないかな。本当に何か感じていたら、きっとスチュワードルームに来ていたはずだ」
チーム代表のロラン・メキースも、フェルスタッペンの見解を支持していた。レッドブルはタイヤの適正温度に持っていけず、クルマのパフォーマンスを引き出すことができなかったという。
「正直なところ、もし原因が分かっていれば、修正できていたはずだ。FP1の最初のラップからすでに問題を感じていた。お互い顔を見合わせて“どうなってるんだ?”という感じだった」
「低速・中速でとにかく遅かった。最小速度が低く、バランスの問題という感じではなかった。かなり大きな問題だった。クルマを適正なウィンドウに持っていけなかったし、タイヤを“オン”にできなかった。FP1ではたまにこういうこともあるけど、ここまで大きな問題になることは珍しい」
「最初から何かが間違っていたと感じていた。2台ともいろいろ試したけど、何も変わらなかった。ロングランもショートランも、どちらもタイヤを機能させられなかった。運良く、あるいは技術的に適正ウィンドウに入ることもあるけど、今回は一度もそれが起きなかった。予選も同様だった」
「もちろん、良かった時のデータを見れば“悪くない”と思えることもある。でも実際には問題は解決しなかった。今年はずっと“ウィンドウが狭い”という話が出ているが、今回はそのレベルを超えていた。クルマがまったく機能しなかった」
フェルスタッペンに対しては戦略面でも工夫を試みたが、パフォーマンス不足がすべてを覆した。1ストップ作戦も試したが、結果にはつながらなかった。
「後方スタートでしかもパフォーマンスがないと、本当に厳しいレースになる。序盤でマックスはいくつか見事なオーバーテイクを決めてくれた。シケインでの追い抜きなんて、普段はほとんど見ないからね」
「でもその後、ガブリエルの後ろで完全に詰まってしまった。ずっとそのままでもよかったかもしれないが、僕らは何とかチャンスを探ろうとした。だから早めにピットに入れたんだ。でもトラフィックを抜けるのにとても苦労した。マックスがまたいい動きを見せてくれたけど、結局うまくいかなかった」
「途中で“このまま最後まで走れるかもしれない”という小さな希望もあった。かなりの賭けだったけどね。結局もう一度ピットに入った。終盤には少しだけペースのアドバンテージがあったけど、それでも抜くことはできなかった。やはり問題は、僕らのクルマに十分なラップタイムがなかったということだ」