
マックス・フェルスタッペンは、現在ペナルティポイント11点を抱えており、レース出場停止の瀬戸際にある。それでも本人は「自分のスタイルは変えない」と強気の姿勢を崩していない。一方、バルセロナGP後に投稿されたSNSの内容には、メルセデスのジョージ・ラッセルも驚きを見せた。
フェルスタッペンはバルセロナGP後、表立った発言は控えていたが、自身のSNSで「この件は起きるべきではなかった」と受け取れる投稿を行い、その姿勢が話題となった。
「いや、時差ボケはちょっと残ってるけど、それ以外は何も変わらないよ」
「(走り方も変えないのか?)変えないよ。あの投稿は、僕なりにレースがどう展開したかを伝えたかっただけ。理想的ではなかったけど、それが僕の考えだし、それを伝えたらあとは自分の時間を楽しんだよ」
「レース後にはあまり多くを語らなかった。ペナルティを受けたという事実が全てを物語ってると思う。8点だったのが11点になったけど、だからといって何かを引っ込めるわけじゃない。これまで通りにレースするつもりだし、自分を信じてる。細かく語るつもりはないよ。そもそも、“フェア”って何なんだ?僕が11点っていうのは本当にフェアなのかな?」
「分からないけど、世の中フェアじゃないしね。気にしていない。僕はレースをするためにここにいる。これからも激しく、自分の信じる走りをするだけだ。次のレースに集中するよ」
「なぜ、どうしてこうなったのか細かくは言わないけど、あの場面は単純に僕のミスだった。チームからの“先に行かせろ”という指示を受けたときに、そのまま行かせておけばよかったんだ。オンボード映像を見れば分かると思う。そこから先の展開は本当にフラストレーションだった。あの時点まではいいレースをしてたし、マクラーレンにプレッシャーをかけられていたんだけど、終盤は台無しだった」
「連続して起きたいくつものことが、ただただ腹立たしかった。ストレートでぶつけられそうになったり、ハードタイヤでクラッシュ寸前になったり、ターン1でも接触して、その上ポジションを譲れって言われた。意味が分からないよ。コーナーでの判断ミスだったけど、誰だってミスはするし、そこから学んで前に進むだけだ」
「今後はチームとのコミュニケーションをもっと良くしていこうとしてるよ。でも正直、もうあのバルセロナのレースについては話すつもりもない。全部話し合ったし、次へ進むだけだ。出場停止のリスクがあるのは理想的じゃないけど、それを気にしてレースしているわけじゃない」
「もしかしたら君たちは気にするかもしれないけど、僕は違う。僕の走り方は変えないし、これからもそうだ」
フェルスタッペンは、レース後にニース空港でラッセルと偶然会ったことを認めた。
「ああ、あれは偶然だったね。特に何もないよ」
一方、ラッセルはこの遭遇について少し詳しく語ったが、バルセロナの件には触れなかったという。
「ああ、ちょっと驚いたよ。彼が責任を認めたのは、正直らしくなかった」
とラッセルは語った。
「空港で会ったけど、レースの話は全然しなかった。彼は家族と一緒だったし、新しく生まれた赤ちゃんの話をしてたよ。ベビーカーを畳んで保安検査機に通そうとしてた姿が印象的だった」
「僕としては何も話す必要はなかったよ。もし僕がレースからリタイアさせられてたら、気持ちは違ってただろうけど、結果的に彼の行動は僕にとってプラスになった。彼にとっては損だったけど、僕は感謝すべきかもしれないね。故意にぶつけたとは思いたくない。そんなの正気の沙汰じゃないからね。あの時は、ただ自分が上だってことを示したかっただけで、肘を張って自信満々にいった結果、ミスしただけだと思う」
「ペナルティはあれ以上重くする必要はなかったと思う。結局はそれが故意だったかどうかによるけどね。でも僕の知ってるマックスなら、むしろもっとアグレッシブに走って週末を休みにしようとするかもしれない。それが彼らしいかもね」
さらに、現在のドライビングガイドラインについて尋ねられたラッセルは、それが「機械的すぎる」とは思っていないと語った。
「レースは流動的なものだ。どんな状況にも当てはまるルールやガイドラインなんて存在しないよ。バルセロナのあの場面、僕が仕掛けたときにも、“コントロール下にあるかないか”という文言があるけど、コントロールって何だろう?スライドしててもコントロール下にあることもある。バルセロナはグリップが低くて、常にクルマは動いてる。そういう中での判断だ」
「だからレッドブルがポジションを入れ替えたのはリスク回避として正解だったと思う。判断を下すその瞬間にしては、うまくやったよ。僕としては今年のペナルティ判定は概ね妥当だと思う」