
スペインGPでマックス・フェルスタッペンに10秒のタイムペナルティを科したFIAスチュワードは、レース後にさらなる措置を下した。その処分は、フェルスタッペンのFIAスーパーライセンスに3点のペナルティポイントを追加するというものだった。これはレース終盤、メルセデスのジョージ・ラッセルとの物議を醸す接触を受けての判断である。
この裁定により、フェルスタッペンの累積ペナルティポイントは11点となり、12か月以内にあと1点加算されれば、1戦の出場停止処分が科される状況に追い込まれた。
接触は、セーフティカー明けの再スタート後に発生した。ラッセルのチームメイト、キミ・アントネッリがリタイアしたことでセーフティカーが導入され、再開後に激しい順位争いが繰り広げられた。
フェルスタッペンはハードタイヤで再スタートを迎えた一方、周囲はソフトタイヤ装着でアドバンテージがあった。シャルル・ルクレールがターン1でフェルスタッペンを交わして3位に浮上すると、ラッセルもそれに続こうと仕掛けた。その際、フェルスタッペンはエスケープゾーンに逃れてポジションを維持し、ラッセルの前で4位の座を守った。
皮肉なことに、スチュワードは後に「コース外走行による利益獲得」に関してフェルスタッペンにペナルティを科す必要はなかったと判断していた。しかし、レッドブルはその時点で既にフェルスタッペンに対し、ラッセルにポジションを譲るよう無線で指示を出していた。この指示にフェルスタッペンは明らかに不満を示していた。
ターン5でフェルスタッペンは減速し、ラッセルにポジションを明け渡すような動きを見せた。だが、その直後に右へ動いてラッセルとホイール同士で接触し、P4争いが混乱する形となった。最終的にフェルスタッペンはターン12でポジションを譲った。
スチュワードはこの接触の責任がフェルスタッペンにあると判断し、10秒のタイムペナルティを科したことで、彼の順位は10位にまで下がった。
レース後、さらに重い処分としてスーパーライセンスに3点のペナルティポイントが追加された。以下がスチュワードの裁定文である。
「スチュワードはポジショニング/マーシャリングシステムのデータ、映像、タイミング、テレメトリー、車載カメラ映像を確認した」
「無線通信によれば、1号車のドライバー(フェルスタッペン)は、チームから『ポジションを63号車(ラッセル)に戻せ』と指示を受けていた。これは1号車がコース外走行により持続的な利益を得たとチームが判断したためだった(ただし、我々はその件については処分不要と後に判断した)」
「1号車のドライバーは、チームの指示に明らかに不満を抱いていた。ターン5への進入時、1号車は大きく減速し、63号車に前に出させるように見えた。しかし、63号車がターン5の進入で前に出た直後、1号車は突然加速し、63号車と接触した」
「この接触は疑いなく1号車の行動によって引き起こされた。よって、1号車に対して10秒のタイムペナルティを科すこととした」

