
フェラーリはイタリアGPに向け、2024年仕様のリヤウイングとビームウイングを投入し、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの表彰台争いに望みを託している。
前戦オランダGP(ザントフォールト)で、ハミルトンとルクレールが同じコーナーで相次いでクラッシュし、今季初のダブルリタイアを喫したフェラーリ。ホームレースとなるモンツァで反撃を狙う。
フェラーリ、2024年仕様リヤウイングを復活
今季まだ勝利がないものの、フェラーリは残り9戦を前にコンストラクターズ選手権で2位を守っており、3位メルセデスに12ポイント差をつけている。
昨年のモンツァでは、ルクレールがマクラーレン勢のオスカー・ピアストリとランド・ノリスを下し、2019年以来となる勝利を手にした。
そして今年もチームは2024年仕様のパーツを投入。リヤウイングとビームウイングは「昨年の低ダウンフォース仕様から持ち込んだコンポーネント」と説明されている。
フェラーリはすでに今年5月のモナコGPでも2024年仕様のリヤウイングを再投入しており、その時ルクレールはノリスに次ぐ2位でフィニッシュしている。
さらに今回のモンツァに向け、フロントウイングにはコード長を短くした専用フラップを用意した。
ライバルたちの新パッケージ
マクラーレンはイタリアGPに向け5つのアップデートを持ち込んでおり、そのうち4つはモンツァ専用。フロントウイング、リヤウイング、ビームウイングなどが変更されている。唯一性能向上を狙ったのはフロントサスペンションのカバー形状で、低ドラッグ仕様との組み合わせで空力の流れを改善する狙いがある。
メルセデスはリヤウイングの先端形状に微調整を加え、フロアフェンスやフロントウイングも改良。
レッドブルは4つのアップデートをすべて性能向上目的としており、フロントウイングフラップの短縮、フロア形状の改修、フェンスの再設計、フロアエッジウイングの見直しなどで局所的なダウンフォース改善を狙う。
アストンマーティンはリヤウイングに「攻撃性を抑えた」新フラップを導入。
ハースはフロントウイングのコード長をわずかに短縮し、低ドラッグ環境でのバランスを最適化した。
前戦ザントフォールトでイザック・ハジャーが3位表彰台を獲得したレーシングブルズは、合計4つのアップデートを投入。そのうち2つは性能改善、残り2つはモンツァ専用だ。性能面ではアンダーフロアとエッジウイングの形状変更で局所的なダウンフォースを増やし、さらにコークボトル形状やエンジンカバーを改良してリヤへの気流を改善している。専用パーツではリヤウイング上部の形状やミラーハウジングを変更し、必要な効率とダウンフォースを満たす仕様とした。
ウィリアムズもモンツァ用に改良を投入。リヤウイングのドラッグ低減を狙った改修と、フラップ面積を縮小した専用仕様だ。さらにフロントウイングのトリムは「リヤウイングの仕様に関係なく使用可能」としている。
一方、ザウバーとアルピーヌの両チームは今回のイタリアGPでアップデートを持ち込まなかった。