フェアゼルバイジャンGP決勝の最終盤、フェラーリはポジション入れ替えのチームオーダーを出したが実行に至らず、ルイス・ハミルトンがシャルル・ルクレールに謝罪する事態となった。ルクレールは残り周回でハミルトンを先行させ、フレッシュタイヤで前方を追わせる作戦だったが、成果が得られなかった場合は順位を戻す取り決めだったという。

先行するローソン、角田裕毅、ノリスのペースが速く、ハミルトンがこれに迫ることが出来なかった。ところが無線の指示が遅れ、最終ラップでの入れ替えタイミングを逸し、ハミルトンが8位、ルクレールが9位でチェッカーを受けた。

ハミルトンはレース後、「指示に従おうとして減速したが、判断を誤った。チャールズに謝る」と説明した。一方のルクレールは「8位と9位の違いは大きくない」としつつ、合意した手順が守られなかった点を課題として挙げた。

フレデリック・ヴァスール代表は、入れ替え実行の位置取りをハミルトンが誤認した点を指摘し、指示の出し方とタイミングを見直す考えを示した。今季のフェラーリは戦略面の綻びがたびたび議論を呼んでおり、今回の小さな取りこぼしも組織的な連携というテーマを浮き彫りにした格好だ。