フェラーリは、7月16日にムジェロ・サーキットで行われる「フィルミングデー」において、長らく待たれていた新しいリアサスペンションが2025年型マシンに装着される予定といわれている。この新構成は、来週末のスパ・フランコルシャンでの実戦投入が非常に濃厚とされている。

長年にわたりテストドライバーを務め、現在はフェラーリのアンバサダーであるマーク・ジェネは、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンがドライバーズタイトルを狙っているわけではないと語っている。

「ノリスとピアストリの戦いが最後まで続いてほしいと思っている。チャンピオン争いは彼ら2人になるだろう」

とジェネはスペイン紙『ディアリオ・スポルト』に語った。スペイン出身のジェネによれば、フェラーリはコンストラクターズチャンピオンシップでマクラーレンとの大差を縮めようとしているわけでもないという。

「僕たちはむしろメルセデスやレッドブルと戦っている。コンストラクターズで2位を確保することが僕たちにとって重要なんだ。それを成し遂げるにはチーム一丸となって良い仕事をする必要がある。現時点ではうまくやれていると思う。ドライバーたちは全力を尽くしてくれているよ」

しかしながら、フェラーリとそのドライバー陣は、イタリア国内からの批判を封じ込めるには至っておらず、フレデリック・ヴァスール代表の契約延長がなされないのではないかという憶測も絶えない。こうした中、注目は2026年から導入される新レギュレーションへのフェラーリの対応へと向けられている。

「非常に大きな変化になる」

とジェネは語った。一方で、2025年シーズンはルイス・ハミルトンにとっても大きな変化と試練の年になっている。

「ルイスだけじゃない。チームを変えたすべてのドライバーにとって、新しいマシンに慣れるまでには時間がかかっているんだ」

とジェネは指摘した。

「特に長年同じチームにいたドライバーにとっては、変化の影響が大きい。ルイスは12年間メルセデスに在籍していたから、今年は複雑な一年になっている。でも、オーストリアでは今季ベストの走りを見せたし、中国のスプリントで勝った時も良かった」

「正直なところ、彼は良い走りをしていると思う。僕には彼がマシンにどんどん順応してきているという感触がある。来年になれば、チームへの適応も、ドライビングのスタイルも、僕たちの作業方法への理解もすべて整っているはずだ」

「あとは、彼に本当に戦えるクルマを提供できるかどうかにかかっている。僕たちは自信を持っているが、そればかりは実際に見てみないとわからない」