カルロス・サインツは、もしフェラーリがシーズン序盤から弱点を克服していれば、2024年のF1タイトル獲得に向けてもっと有利な状況に立てたと認めている。
アブダビでのダブル表彰台は達成したものの、フェラーリのタイトル争いは叶わなかった。ランド・ノリスの勝利により、コンストラクターズ選手権の栄冠はマクラーレンに渡った。
イタリアの名門チームであるフェラーリは、最終戦を迎えるにあたりマクラーレンのリードを逆転する厳しい状況に置かれていた。しかし、オスカー・ピアストリが第1コーナーでスピンしたことで、一時は逆転の可能性も見えた。
シャルル・ルクレールが3位に浮上し、サインツがポールシッターであるノリスをオーバーテイクすれば、ポイントの逆転が実現するシナリオもあったが、ノリスは冷静にギャップを管理し、マクラーレンが24戦を終えて14ポイント差でタイトルを確保した。
「自分としては、できる限りのことをしてマクラーレンの射程圏内に留まろうとした」とサインツはMotorsport Weekを含むメディアに語った。
「レース前から、マクラーレンが我々よりも1、2テンポ速いだろうということは分かっていた。そしてそれが十分な差であり、ピットストップ前後やレース中に余裕を持たせ、プレッシャーを感じることなく走ることができるのだ。」
「第1スティントでは非常に強い走りができ、彼らを射程圏内に捉えていた。シャルルが見事なリカバリーをしているとも聞いていたから、期待していた。」
「ピアストリが1周目にトラブルに巻き込まれたことで、チャンスがあるかもしれないと思ったが、徐々にその希望は薄れていった。」
「ハードタイヤに交換した後は、今年何度も見てきたように、マクラーレンがペースを一段と上げ、2、3テンポ速く走り始めた。」
「その差が彼らにとっての安全圏となり、マクラーレンはそのままレースを制した。」
マクラーレンに対する弱点が浮き彫りに
アブダビGP週末を通じてマクラーレンは圧倒的なパフォーマンスを見せた。2回目、3回目のフリー走行で1-2を記録し、予選ではフロントロー独占を達成した。
サインツは、フェラーリのSF-24がヤス・マリーナ・サーキットの長い連続コーナーでマクラーレンに大きく劣っていたことを認めた。
「トラックのレイアウトを詳細に見れば、彼らが少し速い理由も理解できる」とサインツは認めた。
「もしトラック全体が長いストレートと6コーナーや7コーナーばかりであれば、我々は間違いなく速かっただろう。」
「だが現実には第1コーナーや第9コーナーがあり、マクラーレンはその部分で明確に一歩先を行っている。それはカタールでも見た光景だ。」
「彼らはこのサーキットにおいて、我々よりも優れたパッケージを持っている。」
「不運にも、シーズン最後の2戦がマクラーレンにとって有利なサーキットで行われた。しかし、これはシーズンを通しての結果だ。我々がもっと早く課題に取り組んでいれば、この状況は違っていたはずだ。」