ヨーロッパ最大の発行部数(世界6位)を誇る日刊紙ビルト紙によれば、フェラーリは数週間前に、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーへ移籍を打診したと報道した。

ビルト紙は、フェラーリが危機に瀕している今、この動きは不思議ではないと報じている。現在フェラーリは7度のワールドチャンピオンを迎え、大きな期待を背負って今シーズンに挑んでいる。だがフェラーリの2025年型マシンが苦戦を強いられ、フェラーリの経営層は危機感を抱いている。

ヴァスール代表は、モナコGPの戦績について語った。

「モナコでの週末で、今シーズンへの期待は変わっていない。すでに3分の1が終わっているとはいえ、チャンピオンシップの序盤は正直ベストな内容とは言えなかった。予想していたよりもパフォーマンスが悪かったのは明らかだ。我々は自分自身に正直でなければならない」

2022年にマッティア・ビノット氏の後任としてヴァスール氏がチーム代表に就任して以降、フェラーリ本社の経営陣はこれまで彼に対する不満を一切発しなかった。だがビルト紙は、裏の話は異なると伝えている。同紙は、次のように記している。

「スクーデリアは数週間前、ホーナー氏に打診していた。シャルル・ルクレールがモナコで2位を獲得したものの、チームのパフォーマンスは不安定で大きく変動している」

この不安定な状況は経営陣を決して満足させるものではなく、少なくともフレデリック・ヴァスール氏の続投を再考させる材料になっているという。しかし、フェラーリにとって残念な知らせもあった。ビルト紙はこう締めくくっている。

「ホーナー氏は『レッドブルを離れるつもりはないし、今後も離れる予定はない』と明言している」