
2025年のF1世界選手権は、マクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスのチームメイト同士による熾烈なタイトル争いが注目を集めている。ピアストリは、現在ノリスに対して16ポイントのリードを築いており、観戦歴の長いファンには2007年のマクラーレンにおけるルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソの確執を彷彿とさせる展開となっている。この状況について、ピアストリは冗談交じりに次のように語った。
「うん、僕らは2007年のマクラーレンを再現しようとしているんだ。だから…どうなるかはわからないね」
※2007年のマクラーレンは、2年連続チャンピオン獲得直後のアロンソと、GP2王座の新人ハミルトンのコンビ。アロンソが4勝(表彰台9回)、ハミルトンが4勝(表彰台11回)と、全レースでどちらかが表彰台に立つ勢いながら、二人が激しく拮抗し、翌年アロンソがルノーへ移籍することになった。ドライバーズタイトルはハミルトン2位、アロンソ3位。またマクラーレンは、フェラーリに対する産業スパイにより、コンストラクターズ全ポイントを無効とする罰則が下され、確実視されていたコンストラクターズタイトルを失うことになった。
その後、真剣な口調でチームメイトとのタイトル争いの利点と課題について詳しく述べた。
「僕らはお互いの強みをよく理解している。常に接戦で、良い戦いになるだろう。週末によってはランドの方が強く、別の週末では僕が強い。僕らはマクラーレンにいる限り、この成功を長く続けたいと考えている。それは僕ら二人にとって長い時間になるだろう。僕らは戦いがあることを認識しているし、もちろん世界チャンピオンになりたいと思っている。でも、僕らはこの成功を一度きりのチャンスにしたくない。これから何年も続けたいんだ。それは僕らとチーム全体にとって重要であり、心に留めておくのが簡単なことだ」
チームメイトとの戦いが難しいかどうかについては、次のように述べた。
「ある意味では難しいし、ある意味ではそうでもない。僕らはお互いのドライビングスタイルをほぼ完全に把握している。強みや、もしかしたら弱点も知っている。だから、その点では情報が多いけれど、それは両方にとって同じことだ。僕らは同じマシンを使っているから、その要素は排除される。でも、同じマシンを使っていることで他の複雑さも生まれる。コース上で同じ強みや弱みを持つことがある。今のF1では、前の車を追い抜くのが難しいから、10回中9回はスタート時に前にいる方が最後も前にいることになる。だから、それは難しい。ピット戦略なども、同じチーム内では要素になってくる。良い点も悪い点もあるんだ」
一方、ノリスは同じ質問に対して「時が教えてくれるだろう」とだけ答え、詳細なコメントは避けた。