マクラーレンのオスカー・ピアストリは、アゼルバイジャンGPの週末を通じて犯したミスの責任を自ら認めた。チーム代表アンドレア・ステラは、彼が冷静さを取り戻し、必ず巻き返せると信じている。

今大会は、ピアストリにとって思い通りには運ばなかった。フリー走行からマシンは不安定で、壁に接触する場面も多かった。予選Q3ではクラッシュを喫し、シャシー交換を余儀なくされた末に9番手スタートとなった。

決勝ではスタートでフライングを犯し、最後方へ後退。その後も追い上げを狙う中でターン5の壁に衝突し、レースを終えることになった。これらのミスについて、ピアストリは珍しく自らの単純な過ちだと強調した。

「スタートは単純に誤判断だった。点灯を読みすぎて早めに反応しようとしたんだ。それでアンチストールに入り、すべてが悪い方向へ転がってしまった。ターン5のクラッシュも完全に僕のミスで、グリップを読み違えた」

「おそらく前のマシンの乱気流の影響もあったと思う。でもそんな言い訳はしない。二つの単純なミスで全てを台無しにしたんだ」

ピアストリはコース脇でレースを見届ける時間を持ち、冷静に振り返った。

「こういう週末の後は気分がいいはずがないけど、ペース自体は悪くなかったと思う。僕がこんなに多くのミスをするのは珍しい。でも、それは簡単に修正できる種類のものだ。無理をしていたわけではないし、やろうと思えばすぐに立て直せる」

「今週末は本当に全セッションでバラバラだった。だからこれを教訓にして次に集中するだけだ。僕が本来の走りを取り戻せば大丈夫だと分かっている。そこに全エネルギーを注ぐ」

幸いにも、チャンピオンシップでのランド・ノリスとの差は25ポイントに留まり、致命傷にはならなかった。

一方、ステラ代表も愛弟子を擁護した。

「今回のオスカーのミスは彼らしくないものだ。2025年シーズンで最も安定しているドライバーの一人だし、こうした週末は誰にでもある。特に多くを学ぶ機会が集中した週末になったと思う。スタートも、ただ少し熱くなりすぎただけだろう」

「彼は学習スピードが非常に速い。だからこそ、これまでどんなカテゴリーでも成功してきたし、F1でも必ずすぐに立ち直る。今回はポイントを逃したが、多くの学びを得たと僕は見ている」

ステラは「タイトル争いのプレッシャー」という見方も否定した。

「プレッシャーはない。僕はミハエル・シューマッハのような偉大なチャンピオンとも仕事をしたことがあるが、どんな偉大なドライバーにもこうした週末はある。重要なのはそこから何を学ぶかだ。今回も一度きりの出来事に過ぎない」

ピアストリにとって34戦ぶりのノーポイントとなったが、ステラは「心配は不要」と強調した。