オスカー・ピアストリは、ポイントリードが縮まったことを大きな問題とは捉えていない。マクラーレンがコンストラクターズタイトル争いに関係なく、彼とランド・ノリスに自由なレースを許していることを強調した。

一時は23ポイント差まで広がったリードは、14戦を終えた現時点でわずか9ポイントに縮まった。直近4戦でノリスが3勝を挙げ、ピアストリはそのすべてで2位に甘んじたことが響いたのだ。もしカナダでのノリスのリタイアがなければ、差はさらに接近していただろう。

ピアストリはそれでも冷静だった。リードがもっと大きければ理想的だったとしながらも、いくつかの取りこぼしがあったと認める。しかしシーズン後半に向けて、自分の力を信じて戦い抜く自信を持っている。

「今季の最大リードは23ポイントだったし、ここ10戦ほどは10ポイントの範囲で動いていないんだ。だから大して気にしていないよ。もちろん余分なポイントがあれば良かったけれど、これはトレンドだとは思っていない」

「たった1秒違っていれば、見え方はまったく変わっていただろう。最近の数戦で展開が少し違っていれば、全然違う結果になっていた可能性もある。でもそれはどのレース、どの選手権にも言えることだ。だから心配していない。シーズン前半のペースはとても強力だったし、直近の数戦も良かったと思っている」

「自分は強いレースをたくさんできたし、常に僅差の戦いだった。だから夏休み明けも同じような展開になるだろう。自分にはやり遂げる自信がある。完璧な週末はなかなかないけれど、シーズンを通して堅実で安定した走りを積み重ねることが大事なんだ」

ピアストリは特にスパでの走りに手応えを感じており、後半戦もそのパフォーマンスを続けられると信じている。

「スパでのペースには自信を持てたし、誇りにも思っている。そのレベルをシーズン最後まで続けられると思う。もちろん簡単ではないけれど、やり遂げられると信じている」

また、彼は安定性だけではなくリスクを取って攻める姿勢も重要だと強調した。

「安定しているのは良いことだけど、もしずっと2位を取り続けているなら意味がない。両方必要なんだ。僕のチームメイトのレベルを考えれば、常にベストを出さなければならない。その中でリスクを取ればミスは起こるけれど、簡単に構えていては勝てない。速さも必要だし、実行力も必要だ。選手権を勝つには両方が不可欠なんだ」

「シーズン序盤も終盤も、勝つためにやることは同じだ。周りより速く走り、ミスを最小限に抑えること。それは変わらない。安定しているのは大事だけど、常に負けているようではチャンピオンにはなれない。両方のバランスが重要なんだ」

「僕らは人間だから完璧にはなれない。ミスを減らしつつ速さを保つ、それが求められるんだ。守りに入れば必ず負ける。全体として予選も大きく改善したと感じているし、去年より格段に良くなった。後半戦も毎週末でそのパフォーマンスを出し続けることが鍵になる」

そして、コンストラクターズ争いについてもピアストリは動じていない。マクラーレンはセナとプロストのような過去の例を持ち出すことなく、2人に自由な戦いを許している。

「セナとプロストのような歴史は誰もが知っている。でも今の僕らに必要なのはそれを例にすることじゃない。僕もランドも、この状況と賭かっているものを理解している。だから互いに境界線を守ってクリーンに戦えるんだ」

「このチームを長くトップに留めるために、僕らにできる最大の貢献は速く走ることだけじゃない。チームの士気を高め、自信を与え、良い環境を作ることだ。自由に戦わせてもらっていることは大きいし、それは開幕戦から変わらない」