マクラーレンのオスカー・ピアストリが、今季の失速の端緒にイタリアGP(モンツァ)のチームオーダー問題が影を落としたと語った。ピアストリは、モンツァでの順位入れ替え騒動が以後の数戦で「頭の片隅に残り続けた」とコメントし、精神面の揺らぎがその後のドライブに波及したことを示唆した。
モンツァでは、ピット作業のミスにより遅れたランド・ノリスに2位を譲るよう指示が出され、最終的にピアストリは3位でフィニッシュした。チームは「妥当な判断」だったと総括していたが、本人は当時から消化不良を抱えたまま次戦以降に臨むことになったという。
その後のバクーではミスや不運が重なりリズムを崩したと自己分析。結果的にタイトル争いで後退し、シーズンの流れを立て直すまで時間を要した。一方で、ピアストリは現在はチーム内の運用基準が共有され、今後の戦い方は一致していると強調する。マクラーレンはモンツァ直後から議論を重ね、再発防止と両ドライバーの納得感を高める枠組みを確認したとされる。
今季折り返し以降のマクラーレンは速さを維持しつつも、微妙な意思決定がドライバー心理に与える影響の大きさが露呈した格好だ。首脳陣はレース戦略の最適解を探りながら、終盤戦での巻き返しを期す。

