オスカー・ピアストリが、2025年シーズンのタイトル争いにおけるチームメイト、ランド・ノリスとの戦いを導く根本的な原則を明かした。マクラーレンを率いる若きオーストラリア人は、率直に語った。

「ルールはただ一つ、『お互いにぶつからないこと』だ。それはどのチームでも暗黙の了解だと思う」

と、ピアストリはAutosportの取材で明かした。

「僕たちは常にレースでどう戦うかをオープンに話し合ってきた。サプライズを起こさないこと、それが一番大事だと思う。予期しないことが起これば、全てが難しくなるからね」

ピアストリは、今のチャンピオンシップの状況をチームが想定していたことも明かした。

「今年に入る時点で、去年のマシンから少しでも進化できれば、コンストラクターズだけじゃなくドライバーズのタイトル争いもできると思っていた。そして、その戦いには僕たち二人が関わることになると分かっていたんだ。だから早い段階で話し合った。できる限りのことはやってきたと思う」


ピアストリの飛躍的な成長

24歳のピアストリは、デビューイヤーから大きな成長を遂げ、特にタイヤマネジメントでノリスとの差を縮めてきたと振り返る。

「成長は全体的なものだったと思う。2023年から2024年にかけて、タイヤマネジメントで大きく進歩したと感じたんだ」

しかし、彼は生の速さに課題が残っていたことも認めた。

「それでもいくつかの週末は、タイヤマネジメントの問題ではなく、ただ速さが足りなかった。速さが足りないとき、一番簡単に取り戻そうとするのは高速コーナーでのアプローチだけど、それはタイヤにとって最悪なんだ」


100分の1秒を削る科学

ピアストリは、速さを追い求めるためにデータ分析に徹底的に取り組んできたという。

「どんなコーナーで改善できるか、どのサーキットで苦労しているのか、そういうデータを細かく見て、自分のドライビングを少しでも変えていこうとした。それこそが科学だし、裏付けを持って進められる部分なんだ」

マクラーレンの若きエースは、いまのF1における僅差の戦いで「細部の積み重ね」がどれほど重要かを強調した。

「特に今年は本当に細かい差の勝負だ。予選で0.1秒以下の差で決まることが何度もある。だから100分の1秒でも削り出さなきゃならないんだ」


総合力で磨かれた才能

ピアストリの進化は、単なるドライビング技術だけではなかった。

「メンタル、フィジカル、ドライビング、チームからどう力を引き出すか……あらゆる面で少しでも良くなろうと取り組んできた」

F1を席巻するマクラーレンの中で、ピアストリは真のタイトル候補へと成長した。2025年シーズンの物語は、彼とノリスという二人の才能をどう共存させるかという「黄金のルール」にかかっている。