ニコ・ヒュルケンベルグは、2025年のF1シーズン開幕前、ザウバーの状況は暗いと感じていたが、今やチームはその予想を大きく上回る結果を出していると語った。

2024年の不振と、プレシーズンの状況から考えれば、ヒュルケンベルグが「厳しい一年になる」と思っても無理はなかった。開幕後は、混乱した天候のオーストラリアGPで7位を獲得したものの、それ以外は沈黙。

その後の7戦では1ポイントも奪えず、同じく苦戦するアルピーヌと並んで下位に低迷していた。だが、バルセロナでバランスとダウンフォースを改善するアップデートを導入して以降、状況は一変した。

直近6戦で45ポイントを積み上げ、その中にはヒュルケンベルグ自身のキャリア初表彰台も含まれる。さらにガブリエル・ボルトレートも複数レースで入賞を果たした。ドイツ人ドライバーは、プレシーズンテスト時には確かにチームが大きな問題を抱えており、状況は極めて厳しかったと認めている。

アップデートとチームワークが流れを変えた。

「本当に、テストの時の僕たちのマシンを振り返れば、大きなトラブルを抱えていて、状況はかなり厳しかった。シーズン序盤はとても難しいスタートだったけど、バルセロナ以降、チームとして6回ポイントを獲得している。ハンガリーでのガブリエルの走りは素晴らしかったし、アストン勢と堂々と戦っていた。

6回の入賞は、6つの全く異なるサーキットで達成したものだ。これは良いアップデートとチームの努力の証だし、とても心強い。振り返ってみれば、間違いなくポジティブな方が大きいと思う。冬のテストや開幕数戦を考えれば、バルセロナ以降は6戦連続でポイント、表彰台、そして僕たちの素晴らしい走りがいくつもあった。

流れは確実に良い方向に向かっている。本当は最初からこの状態で行きたかったけど、違う形になった。でも最近の僕たちは確実に正しい方向に進んでいる。ただ、中団勢の戦いは依然として厳しい。5チームがほぼ互角で、日やサーキット、コンディション次第で流れが変わる。これからしっかり充電して、この勢いを続けたいね」

この好調ぶりは、ヒュルケンベルグのプレシーズンの予想を大きく超えるものだ。開幕前は「時々ポイントが取れれば」と考えていたが、ここまで安定して結果を残せるとは思っていなかったという。後半戦もこの勢いを維持できると信じている。

彼は、ライバル勢に大きな進化はないだろうと見ており、それがさらに自信を与えている。14戦を終えて、ザウバーはコンストラクターズ選手権7位。6位アストンマーティンとはわずか1ポイント差、5位ウィリアムズとは19ポイント差。一方で、8位ビザ・キャッシュアプリRBとは6ポイント差、9位ハースとは10ポイント差という僅差の中にいる。

「まあ、少し予想を上回っているかな。でも僕たちはもともと時々ポイント争いができればと思っていたし、それは今もやっている。トップチームが揃えば、だいたい上位8台が埋まってしまうし、その後に残るポイントは多くない。もちろん、レース展開や条件に恵まれて大きく稼げたレースもあった。

でも、それ以外はそれほど違わない。今年の残りのために僕たちや他チームが大きく開発を進めることはないと思う。今は来年のことに焦点を移しているはずだ。今年と来年ではマシンが大きく異なるからね。だから残りはトラック特性次第で順位が変わると思う」