ハースF1チームは、これまでヨーロッパで実施してきたテスト・プリビアス・カーズ(TPC)プログラムを、来月8月に日本・富士スピードウェイで実施する予定だ。トヨタとの提携に基づいたこのテストで使用されるのは、2023年型マシンのVF-23で、ドライバーは平川亮と坪井翔の2名。平川はすでにTPCプログラムとF1公式セッション(FP1)での経験があるが、坪井にとってはF1マシン初ドライブとなる。2024年のスーパーフォーミュラ王者であり、スーパGTでも複数年にわたってチャンピオンに輝いた坪井は、キャリアを通じて一貫して日本国内で戦ってきた。

テストは8月6日に平川が、7日に坪井がドライブを担当する。両日とも一般公開される予定で、ファンもサーキットで見学できる。

ハースF1のチーム代表である小松礼雄は、次のように語った。

「TPCプログラムを担当する初年度に、富士スピードウェイで2日間の走行が実現できることをとても嬉しく思っている」

「この場所はトヨタのホームサーキットであり、僕たちがTOYOTA GAZOO Racingとのパートナーシップを発表した地でもある。そんな場所で走れることには特別な意味がある。さらに、チャンピオンである坪井翔にF1マシン初走行の機会を提供できるのも、とても満足している」

「平川の実力についてはすでに理解しており、今回も彼からのフィードバックを楽しみにしている。VF-23を使用し、しかもファンに公開されるテストになるというのも素晴らしい。日本のF1ファンの情熱はよく知っているし、4月の日本グランプリに続き、今年2度目の日本走行が実現するのは本当に素晴らしいことだ」

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の梶雅也も、今回のTPC開催についてコメントを寄せた。

「このTPCを富士スピードウェイで開催できることを非常に嬉しく思っている。我々は、クルマづくりにおける3つの本質――“人”“モノづくりの仕組み(パイプライン)”“製品”――の技術研鑽を目的として技術パートナーシップを結んでいる。このTPCは、その中でも“人”に関する取り組みの一環として実施している」

「スーパーフォーミュラのチャンピオンである坪井が、このF1チャレンジに挑むことは、彼自身のスキル向上につながるだけでなく、TGRの他のドライバーたちにとっても大きな刺激になると信じている。また、トヨタのメカニックやエンジニアもこの場に参加する予定で、彼らにとっても貴重な学びの機会になる」

「F1という世界最高峰の技術やスキルを間近で体験することは、きっと彼らの成長にとって大きな意味を持つはずだ」

「MoneyGram Haas F1 Teamと協力しながら、こうしたチャレンジを通じてドライバー、エンジニア、メカニックの成長を促し、技術力の向上を図っていく。得られた経験を次世代へと継承していくことで、モータースポーツ業界全体の競争力や技術レベルの向上に貢献していきたい」