アメリカGPの余波が続いている。ハースは決勝中、角田裕毅の動きがオリバー・ベアマンに対して「ダーティだった」としてレースコントロールに調査を要請していたことが分かった。対象となったのは35周目のターン15での攻防で、ピット直後にソフトタイヤで追い上げるベアマンに対し、角田がブレーキング域で進路を変えたという主張だ。確認は行われたとみられるが、その審議通知(レース中の画面表示)は行われず、スチュワードは処分を科さなかった。

レース後、ベアマンは角田のディフェンスを「危険で、子供たちに悪い手本だ」と手厳しく批判した。彼はイン側へ仕掛けた際にコース外へ逃れる形でスピンを喫し、悔しさをにじませた。一方で角田は自らの判断を「極端に悪いことはしていない。僕は彼のチームメイトじゃない」とコメントし、激しい位置取りの中で起きた不運な出来事だと反論した。

この発言はSNSや一部メディアでも波紋を広げ、ドライバーが必死でポジションを守るのは当然だという指摘や、ベアマンの主張が見当違いだという批判、「ブレーキング中の進路変更」の解釈の違いが議論を呼んだ。レーシングテクニック上のディフェンスか、許されざる危険な動きか、F1で勝負が決まる決定的な瞬間にはいつも議論となるテーマだ。