スペインGPで6位に終わったルイス・ハミルトンは、SF-25のパフォーマンスを痛烈に批判し、「バランス面で最悪のレースだった」と語った。フェラーリに加入して以降、ハミルトンはこの日、何一つポジティブな要素がなかったと断言し、苦しいレース展開を振り返った。

スペインGPでは、フェラーリ勢の中でハミルトンの方が予選順位が良く、5番グリッドからのスタートだった。一方のシャルル・ルクレールは7番手からのスタートだった。両ドライバーは好スタートを決め、ハミルトンはターン1でメルセデスのジョージ・ラッセルをかわして前に出た。ルクレールもそれに続いた。

だが、すぐに問題が露呈した。ハミルトンは3位を走るマクラーレンのランド・ノリスにまったく近づけず、後ろのルクレールの方が明らかに速い状況だった。

9周目にチームからポジションスワップの指示が出されると、ルクレールはそこから力強い走りを見せ、驚きの表彰台を獲得した。一方でハミルトンはペースを上げることができず、ずるずると順位を落としていった。

終盤にはキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグにまで抜かれる屈辱を味わい、さらなる失望が加わった。7位でチェッカーフラッグを受けた直後、ハミルトンは無線でレースエンジニアのリカルド・アダミを呼び出し、怒りをあらわにした。

「このマシン、何かおかしいと思う。正直言って、これまで経験したなかで一番ひどい状態だった」