ルイス・ハミルトンがメルセデスでの最後のレースを走り切り、「最高の形で終えられた」と満足げに語った。2024年シーズン最終戦アブダビグランプリで16番手スタートから4位フィニッシュを果たし、彼の12年にわたるメルセデスとの旅路を締めくくった。
「おそらく人生で最も長く感じた1年だった。最初から離れることが決まっているのに、まだ一緒に生活しているような関係性だった。多くの浮き沈みがあったが、今日は最高の形で終わることができた。」
と39歳のハミルトンは語った。
彼はレース後、最後の一周でチームメイトのジョージ・ラッセルを抜き、4位の座を確保。その後、ピットストレートでドーナツターンを披露し、最後の瞬間を噛みしめながら、しばらくマシンのそばから離れなかった。
メルセデスでの12年――愛と感謝の時間
「メルセデスを代表することは私の人生で最高の瞬間だった。このチームが作り上げた車に感謝し、ここまで諦めなかった自分の精神にも感謝している。チームの全員をとても誇りに思っている。」
ハミルトンはメルセデスで84勝、6度のチャンピオン、153回の表彰台を獲得。2024年シーズンには2勝を挙げ、一方で、特にカタールGPでは12位に終わるなど困難な週末も経験した。しかし、その中でもメルセデスのサポートに対して深い感謝の意を示した。
「多くの浮き沈みがあったが、そこに確かな愛があった。役員たちは初めは動揺していたが、今日は『君はいつまでも家族の一員だ』と言ってくれた。このチームとの絆には本当に多くの愛がある。」
チームメイトやメルセデス陣営からの賛辞
最後の3年間、ハミルトンとコンビを組んだジョージ・ラッセルもまた、彼の影響に感謝を述べた。
「ルイスと1秒差で終える形になったのは、彼との3年間を象徴するものだった。彼からはドライバーとしても人としても多くのことを学んだ。」
「ルイスから学んだ最大の教訓は、我々が持つこのプラットフォームを正しく使うことの重要性だ。勝利や敗北の受け止め方が、若い世代に与える影響は計り知れない。」
メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、この12年間を特別なものと称えた。
「この12年間は絆と信頼の象徴だった。こうした価値観は現代では非常に希少であり、私たちはこの期間を常に大切に思い続けるだろう。」
フェラーリへの移籍を前にした新たな挑戦
2025年からはフェラーリに移籍するハミルトン。メルセデスでの12年間は、F1史上最も成功したチームとドライバーのコンビネーションとして記憶されるだろう。その別れの瞬間は、F1の歴史に刻まれる感動の一幕となった。