ルイス・ハミルトンは、自身が率いる財団「Mission 44」とともに、イギリスのキア・スターマー首相と会談し、多様性と包括性の実現に向けた政策について協議した。

※Mission 44:ルイス・ハミルトンが2021年に設立した慈善財団であり、社会的に不利な立場にある若者、特に黒人やマイノリティのコミュニティに属する子どもたちの教育機会と生活環境の向上を目的として活動しているNPO。

Mission 44は、「Nothing Happens In Isolation(孤立の中では何も起きない)」というキャンペーンを通じて、最も支援を必要とする生徒たちの学びの損失を減らす改革を推し進めてきた。このキャンペーンでは、増加する学校からの排除、停学、そして長期欠席が、社会的に不利な立場の若者に深刻な影響を与えていることを強調している。

この会談を経て、イギリス政府は以下の3つの公約を発表した。

  1. 全国共通のベストプラクティス枠組みの策定
     2026年初頭までに、生徒の関与を高めるための全国共通ガイドラインを作成・公開する。この枠組みには、学校体験のモニタリング方法や成功事例が含まれ、若者が学校に「参加し、楽しみ、成果を上げる」ことの重要性を強調する。
  2. 若者の声を反映するデータの収集と公開
     若者の体験に関するデータをさらに収集・公開し、教育省(DfE)が「帰属意識」「学校での楽しさ」「安心感」などに関する年次データを公表する。政府はMission 44およびパートナーと協力し、学校が関連データを集め、その結果に基づいて改善策を実施できるよう支援する。
  3. 多様な背景を持つ教師の登用支援
     家庭の外で最も重要な影響を与える要因である「教師」の質を高めるため、政府はMission 44や教育関係者と連携し、特に少数民族出身者など、多様なバックグラウンドを持つ教師の採用と定着を後押しする。

ハミルトンは以下のコメントを残している。

「僕は学校で苦労したし、自分の声が聞かれていると感じたことはなかった。だからこそ、すべての生徒が“自分の居場所”を感じられることがいかに大切か、身をもって知っているんだ」

「今日の会談を経て、政府がMission 44と共に教育制度をより包括的にするための変化に取り組むと約束してくれたことを、心から嬉しく思っている。Mission 44がこれほど短期間でここまで成長し、社会的に弱い立場の生徒たちの人生を変えるチャンスを得ていることを、とても誇りに思う」