
スペイングランプリに向けて導入された新技術指令TD018は、FIAがフロントウイングの荷重試験とたわみ量の測定方法を見直し、各チームがパフォーマンス向上のために使っていたフレキシブルウイングを制限する目的で登場した。しかし、ポールポジションのマクラーレンをはじめ、予選までに勢力図が大きく変わるような兆候はほとんどなかった。
この新規則の影響について、ルイス・ハミルトンは、ドライビング時に確かに違いは感じるという。
「バランスは明らかに、以前のほうが良かった。まったくの金の無駄だ」
「みんなの金を無駄にしただけで、何も変わってない。どのチームのウイングも結局まだ曲がってる。曲がり具合が半分になっただけだ」
「なのに、全チームが新しいウイングを作り直さなきゃいけなかったし、より多くの金を使わされた。意味がわからないよ」
「シミュレーターでも走ってみたけど、ほとんど同じ感覚だった。高速コーナーでちょっとオーバーステアが増えたぐらい」
一方、アルピーヌのピエール・ガスリーは、新しい荷重試験が週末の難易度を上げたと認めている。
「それに合わせて少しセットアップを調整しなければならなかった。ほかのチームも同じような状況だったと思う。チームによって影響の差はあるかもしれないけどね。FP1はちょっと難しかったけど、その後はうまく対応できたと思う。どう影響が出るか不確かだったけど、満足いく対応ができたよ」
結果的に、TD018が期待されたような「順位シャッフル」をもたらすことはなかった。