アイザック・ハジャーについて、元チーム代表のロラン・メキースが「1月以降、彼は著しい成長を遂げている」と称賛している。

F1キャリアのスタート時点で、ハジャーはF1マシンでの走行距離が非常に限られていたドライバーのひとりだった。プレシーズンテストではある程度の走行ができたが、アンドレア・キミ・アントネッリのような経験には到底及ばなかった。

しかしハジャーはすぐに立て直し、角田裕毅やリアム・ローソンとの戦いでも好パフォーマンスを続けている。ミッドフィールドに位置するチームの中で、ここまでの走りは十分に評価できる内容だ。

現在はレッドブルに籍を置くメキースだが、ハジャーに対して熱い想いを口にした。

「僕は、アイザックのスタート地点が驚くほど素晴らしかったと思っている。まさに“非の打ち所がない”というレベルだったんだ。彼が僕たちのもとにやってきたのは1月だった。それまでに彼がF1で経験したのはたった1日だけのテストだった。そしてその後、雨の中での1日を含めたテストを経て、すぐに実戦に臨むことになったんだ」

「バーレーン、そしてメルボルンに行ったとき、彼の持つナチュラルスピード、エンジニアとの適応力、チームメンバーとのコミュニケーション力、F1という特殊な環境に対する適応力は、誰もが想像していた以上だった。僕たちはドライバーの育成を本気で信じている」

「たとえ彼のスタートが素晴らしくても、そこからさらに成長し続けることを僕たちは期待している。実際、1月からの彼の成長は著しい。僕たちの責任は、彼がこの進化を繰り返せるような環境を整えることだ。できる限り強いドライバーへと成長できるよう、支えていきたい」

ハジャー自身も、Visa Cash App RBのマシンはF1キャリアをスタートする上で理想的なパッケージだと感じている。レッドブルのような難しさがなく、サプライズも少ないことで、自分の仕事に集中できているという。

「おそらく今季のマシンの中で最も安定していると思う。パフォーマンス的にも予想外の悪い挙動は一度もなかった。レース後には必ず振り返りを行い、後半戦をより良くするための準備をしている。今のところ、毎週ポイントを取って完全に主導権を握っているわけじゃない。でも、まだまだ学ぶことは多いと感じているよ」

「コンストラクターズ選手権5位は間違いなく僕たちの目標だ。オーストリアGPはとても良かったし、チームとして正しい方向に進んでいる。ただ、僕がポイントを取れなかったのは残念だったけど、幸いリアムが取ってくれた。この目標は現実的だと思っている。もちろんドライバーズ選手権ではアレックスがかなり前にいるけど、コンストラクターズでは僕たち2人で1台を仕上げているわけだから、もっと速くなれる余地はあるはずだ」