ジャック・ヴィルヌーヴは、マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリの間で高まるタイトル争いが、伝説的なチーム内抗争に発展することは、少なくとも現時点ではないと見ている。

2025年コンストラクターズ選手権でマクラーレンが首位を独走したまま8月のサマーブレイクを迎える中、シーズン後半にどちらのドライバーが頂点に立つのか、注目が集まっている。

「彼らは相手が勝ったり、良い結果を出したりすると、いつも嬉しそうにしている。ちょっと不思議な状況だ。例えばセナとプロストが同じことをするなんて想像できない。でも、コンストラクターズ選手権を確実に勝ち取ったと分かる時点で、彼らはもっとトラック上で本当のキャラクターを見せ始めると思う。そして、2人の間の戦いは本当に激しさを増すはずだ。少なくとも僕はそうなってほしいと思っている」

1997年F1世界王者のヴィルヌーヴはそう語った。

マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、オランダのデ・テレグラーフ紙に対し、チームが「フェアで平等なレース」を基本方針としており、接触を避けつつ競争は妨げない「パパイヤ・ルール」と呼ばれる内部規定の適用を継続しているとコメントしている。

「僕たちのドライバーは平等かつ公平に扱われている。誰がチャンピオンになるかは彼ら自身で決める。そして同時に、コンストラクターズタイトルは自然に決まっていく」

ブラウンはそう述べつつも、そこに潜むリスクやプレッシャーを認めた。

「ドライバーの視点から見れば、2007年のようなリスクがあることは分かっている。片方のドライバーを優遇すれば、もう一方はチームを去るかもしれない」

実際、ピアストリはシルバーストンでの物議を醸したペナルティで勝利を逃した際、明らかに怒りを見せていたという。しかしブラウンは、その後に問題は解消されたと語る。

「シルバーストンのレース後、オスカーは怒っていた。それは当然のことだった。だから僕から彼との距離を縮めに行った。SNSでは、ファンから厳しいメッセージが届くこともある。あのレース後、オスカーファンからのあるメッセージはかなり強烈だった。僕とオスカーが一緒に歩いていたとき、そのメッセージを見せたら、彼は『そんなの見なくてよかったのに!』って笑っていた。その頃にはオスカーももう冷静になっていた」

先週末のハンガリーGPでも、両者は危うい場面があったが、結果的にマクラーレンは1-2フィニッシュを達成した。

「緊張感はこれからさらに高まっていくだろう。そして間違いなくコース上で直接やり合うはずだ。でも、わざと相手をコース外に押し出すことはないと僕は信じている。レースでの接触は、このスポーツの一部だ」

ブラウンはそう予測した。