マリーナベイの金曜フリー走行で、昨年の優勝者ランド・ノリスは手応えをつかめず表情を曇らせた。FP1は6番手、FP2は5番手。対照的にチームメイトのオスカー・ピアストリがFP2最速を記録し、ガレージ内は明暗が分かれた。

ノリスは走行後、「今日は僕にとって難しい一日だった。クルマの感触が良くない。昨年ここで感じていたものが全部ない」と率直に語り、セットアップの迷いを示唆した。

さらにノリスは、金曜の出来を「悪い一日」と総括。「僕にできることはまだたくさんある。夜の間にデータを見て、クルマを少しでも良い方向に振っていきたい」と、挽回へ向けて冷静に課題整理を進める姿勢を見せた。

ピットレーンでは、ルクレール(フェラーリ)との接触が話題に。チーム側の混乱が背景にあったとされ、フェラーリ側には罰金処分が科された。週末の混戦ムードに拍車をかける出来事だった。

それでもマクラーレンの純粋なスピードは示されている。ピアストリがFP2でトップに立った事実は、ノリスの巻き返し余地を裏付ける材料だ。セットアップの“当たり”を引き当てられるかが土曜以降の焦点になる。

ノリスは「今はしっくり来ていないが、やるべきことは分かっている」と語り、夜間のセットアップ変更でフィーリングの回復を目指す。昨年王者の走りを取り戻せるか、予選日(土曜)のFP3が注目される。