ランド・ノリスが、カタールGPスプリントの最終コーナーでオスカー・ピアストリに勝利を譲った背景について語り、「チームにはやるなと言われたが、自分が最善と思った」と明かした。
19周のスプリントレースをポールポジションからリードしていたノリスは、終盤にピアストリとの距離を縮め、チェッカーフラッグの直前でポジションを譲る決断をした。この動きは、以前のサンパウロGPスプリントでピアストリがノリスのタイトル争いを支援するため同様の譲歩をしたことへの「返礼」だった。
この結果により、マクラーレンはコンストラクターズ選手権でフェラーリに対するリードを30ポイントに拡大し、タイトル獲得に向けて勢いを増している。
「ブラジルから計画していた」
スプリント後のインタビューで、メルセデスのジョージ・ラッセルがピアストリのすぐ背後に迫っていた中で、交代が実現するかどうか心配だったかと問われたノリスは次のように答えた。
「自分が望んでいたより少し接戦だったが、ブラジルの時点で計画していたことだ。ただ、自分が最善と思っただけだ。少し危険だったかもしれないが、チームにはやるなと言われたけれど、自分ならうまくやれると思って実行した。結果的にうまくいった。正直言って気にしていない。
自分はスプリントレースで勝つためにここにいるわけではなく、レースやチャンピオンシップで勝つためにいる。しかし、それは計画通りにはいかなかった。今日は最善を尽くしたし、明日を楽しみにしている。」
「チームで完璧に遂行した」
さらに、自身のペースについて問われたノリスは次のように付け加えた。
「少しは余裕があったかもしれないが、正確には分からない。ただ、今日は1-2フィニッシュを狙っていたし、それを達成した。我々は最大ポイントを獲得できて満足している。
チームとして満足しているし、すべてを完璧に遂行したと思う。ペースも良かった。自分はもう少しプッシュできたかもしれないが、他のドライバーを後方に押さえ込むことが重要だった。ジョージを近づけさせないようにするためにサポートした。今日の仕事は全うしたし、それが最も大事だ。」
「明日は難しいレースになる」
ルサイル・インターナショナル・サーキットがドライバーにとって体力的に厳しいコースであることを認め、ノリスは次のように述べた。
「厳しかった。首があまり快調ではない。明日は難しいレースになるだろう。この寒い気候や風は昨年よりも速くなっていて、さらに体力的に厳しくなっている。そんなことが可能だとは思わなかったが、これが私たちが対処すべき課題だ。ジムで鍛え直す必要があるかもしれないが、それ以外は大丈夫だ。」
ピアストリ「素晴らしいチームワーク」
一方で、スプリントレースでの勝利を手にしたピアストリは、マクラーレンのチームワークを称賛した。
オスカー・ピアストリ:
「正直に言えば、レース全体が守りの姿勢だった。スタートとターン1は良かったが、その後はペースがあまりなかった。序盤でフロントタイヤを使いすぎてしまい、その後は苦戦した。素晴らしいチームワークがあったからこそ、この結果を得られたと思う。それがなければ、もっと難しいスプリントになっていただろう。マクラーレンの1-2フィニッシュは嬉しい。」
予選と明日への展望
その後、土曜日の予選準備について、ピアストリは次のように語った。
「ここでは予選とレースの間で最も変化が少ない場所だと思う。他の多くのサーキットでは6〜7秒の差があるが、ここでは違う。レース中もほぼ全力でプッシュしている。ただ、いくつか調整したいことがあり、それが車と自分を少しでも速くしてくれることを期待している。」
ポールポジション争いに加わる可能性については、次のように述べた。
「そう思う。非常に接戦だ。1位から5位、6位までが2~3テンポしか離れていないので、ミスの余地はほとんどない。我々にはまだ改善できる部分がいくつかあると思うので、期待している。ただ、他のドライバーも注意を怠らない。」