
マクラーレンのランド・ノリスは、モンツァとバクーを2連勝して勢いを取り戻したマックス・フェルスタッペンを「真の挑戦者だ」と位置づけ、タイトル争いが二強対決に収束しつつあった流れに再び緊張感が戻ったと語った。
チャンピオンシップは残り7戦・199点の行方しだいで構図は一変し得るという見立てだ。またノリスは、現時点でチームオーダーを発動してピアストリを絶対的エースに据える必要はないと釘を刺し、公平なレース運営の原則を強調した。
一方のフェルスタッペンは、マシンの改善で手応えを得つつも「結果を追い詰めず、一戦一戦やるだけだ」と肩の力を抜く。タイトルの行方を問われても、マクラーレンの強さを認めたうえで過度に楽観も悲観もせず、現状のベストを尽くす姿勢を繰り返した。
大逆転の可能性については、残るスプリントを含む終盤戦の構成を踏まえつつも、まずは今週のシンガポールという難所をしっかり乗り切ることが先決だという考えだ。過熱する外野の推測に比べ、当人の語り口はあくまで平静で、復調を示しながらも浮つかない、勝ち慣れた王者のメンタリティがにじむ。