
ランド・ノリスが、2025年のF1シーズン開幕を前に「リラックスしながらも、冷静かつ決意に満ちている」と語った。
「今のメンタルはとても良い状態だ。去年とは違う心境にあると思う。去年は結果以上に、メンタル面やアプローチの面で自分自身にとって大きな成長の年だった。僕はいつも予測を立てるのが苦手で、自信過剰になったこともないし、どちらかというと慎重派だった。
でも、去年のシーズンを通じて、自分がマックスと戦えること、レースに勝てること、アブダビでポールを獲り、スタートを決めることができることを証明できた。それが僕のメンタリティのベースになっている。今はすごく落ち着いているけど、決して油断しているわけじゃない。冷静でありながら、強い決意を持っている。チームの状態も良く、すべてをコントロールできていると感じる。だからこそ、今シーズンが本当に楽しみだ。」
フェルスタッペンとの戦いから得た教訓
2024年のシーズン中、ノリスはフェルスタッペンと幾度となく激しいバトルを繰り広げた。しかし、その結果が必ずしも自身に有利に働いたわけではなかったと振り返る。彼は、自分がどこを改善すべきかを理解し、それを2025年に活かすと語った。
「たとえ僕の方が速く、クルマのパフォーマンスが上回っていたとしても、自分のレース運びが完璧だったとは言えない。正直、マックスと戦うには、まだ足りない部分があった。彼は攻めても守っても非常に手強いドライバーであり、最も攻略が難しい相手の一人だ。
例えば、昨年のメキシコGPのように、彼は自らを犠牲にしてでも最終的な結果を優位に持っていくような走りをすることがある。そういうドライバーと戦う時、特に50点や40点ものポイント差がある状況では、逆転するのは極めて難しくなる。
今年の最も重要な課題は、開幕から安定してポイントを獲得することだ。昨年のように序盤で差をつけられてしまうと、メキシコやレッドブル・リンクで起きたような展開になり、結果的に彼に有利な状況が生まれてしまう。それを回避しなければならない。」
肘(ひじ)を外に出して戦わなければならない
ノリスは、昨シーズンの経験を踏まえ、フェルスタッペンに対するアプローチを変えることを決意している。彼は単に“強引に勝負を仕掛ける”のではなく、“賢く戦う”ことが重要だと認識している。
「僕はもっと肘を外に出す必要がある(I need to get my elbows out)。彼に対して簡単にポジションを譲るつもりはない。同時に、スマートなドライバーであることも求められる。昨年の戦いを見ても、それは明らかだった。
僕が無理に何かを証明する必要はないし、不必要なリスクを冒すつもりもない。ただ自分自身のレースに集中し続けるだけだ。マックスは速く、攻撃的で、歴代でも屈指のドライバーだ。だからこそ、シンプルに彼よりも速く走り、前に出ることが最善の戦略だ。それが狙いだ。」