2025年アルピーヌからF1デビューを果たすジャック・ドゥーハンだが、他のルーキーとは異なり、フルシーズン初参戦前から厳しい見通しを指摘されている。元F1ドライバーで現在はFIAのスチュワードを務めるジョニー・ハーバートは、次のように厳しい見通しを示している。

“ドゥーハンはすでに『借りた時間』にいると感じているだろう。彼は結果を出さなければならない。私はフラビオ・ブリアトーレをよく知っているが(ハーバートは1995年ブリアトーレ率いるベネトンでドライブした)、ピエール・ガスリーに並ぶことが出来なければ、すぐにシートを失うだろう。瞬きする暇もなくクビになる。彼にはパフォーマンスが求められている”

アルピーヌは今季、フランコ・コラピントと平川亮をリザーブドライバーとして起用することを発表した。コラピントはシーズン終盤こそクラッシュが目立ったものの、サージェントの代役として出場した初めの数レースで周囲を感心させた。それに南米スポンサーの魅力も加わり、コラピントの名前はドゥーハンのレギュラースシートとリンクされ始めた。

一部報道によると、ドゥーハンのアルピーヌとの契約は、シーズン最初の6レースのみが保証されているという。これが事実かどうかは定かではないが、残りのシーズンのシートを維持できるかどうかは、経験豊富なチームメイトであるガスリーとの比較でどれだけのパフォーマンスを発揮できるかにかかっているようだ。

“それがこのスポーツの一部であり、残念ながらF1はバラ色というわけではない。ドゥーハンにとっては計り知れないプレッシャーだが、それが契約内容だ。マシンに乗り込み、結果を出す必要がある。ドゥーハンはチーム内で居心地が悪いかもしれない。フランス人であるガスリーには、明らかにチームからの多くのサポートがある(ドゥーハンはオーストラリア出身)。だが、今はドゥーハンにかかっている。ガレージにはフランコ・コラピントがいて、ブリアトーレのすぐそばでテレビに映っているだろう。そして、そこからあらゆる疑いの要素が入り込んできてしまう。”