
トト・ウォルフは、フェラーリで苦しい時間を過ごしているルイス・ハミルトンを擁護し、F1引退をほのめかした本人の発言を一蹴した。
ここ2戦、ベルギーとハンガリーでハミルトンは思うような結果を残せなかった。スパでは挽回を見せたが、ハンガロリンクでは苦戦し、落胆の色を隠せなかった。実際に、F1を続けるかどうかを口にし、チームに見切りをつけられるような発言まで飛び出した。
それは冗談めいたものではあったが、ハミルトンの現在の心境を示していた。かつての上司であるウォルフは、これは感情を率直に出しただけだとし、ハミルトンは誰よりも自分に厳しいと語った。
「いや、あれはルイスが心をそのまま見せただけだ。セッション後に質問され、非常にナイーブな状態で出てきた言葉だ。彼は自分を疑っていた。過去にもそういう場面はあった。自分が期待に応えられなかったと感じたとき、そしてチームの目標に届かなかったとき、彼は若い頃からずっとそうやって感情をあらわにしてきたんだ」
「だから彼は自分を責めるんだ。彼はGOAT(Greatest of All Time 史上最高)だ。そしてそれは永遠に変わらない。たとえ週末やシーズンがうまくいかなくても関係ない。彼が忘れてはならないのは、彼が史上最高の存在だということだ」
ウォルフは、ハミルトンにはF1でまだ成し遂げるべきことがあり、8度目のタイトル獲得という目標が残っていると強調した。
現在のレギュレーション下では結果を残せていないが、2026年の大変革を前に期待は高まっている。ウォルフは、フェラーリが戦えるマシンを与えれば、ハミルトンを止めることはできないと見ている。
「ルイスにはF1でまだやり残したことがある。2022年以降、メルセデスはこのレギュレーションで力を発揮できなかったし、彼自身もグラウンドエフェクトカーを完全には気に入っていない。たぶんドライビングスタイルに関係しているのかもしれない。でも、だからこそ彼はここで去るべきじゃない。来年はまったく新しいマシンと新しいパワーユニットが登場し、エネルギーをどう管理するかという知性が問われる。ルイスにとって来年は極めて重要なシーズンになるはずだ」
「もし彼の下に、信頼できて自分の思い通りに動くマシンがあれば、結果は出せる。逆に、ここ数年のメルセデスや今のフェラーリのように、彼が求めるフィードバックを返さないマシンなら難しい。でも、まだ彼に力があるかって?間違いなくあるよ」