デイモン・ヒルは、角田裕毅が、一度も表彰台に立っていないことに驚きを示した。ニコ・ヒュルケンベルグがシルバーストンで239戦目にして初の表彰台を獲得したことで、F1キャリアで表彰台経験のない現役ドライバーたちにも注目が集まっている。

F1史上、グランプリ最多出走ながら表彰台に届いていないドライバーの更新リストでは、角田が現在99戦で歴代4位に浮上しており、現役では最上位に位置している。角田の最高成績は2021年のアブダビGPでの4位であり、これはルーキーイヤーにアルファタウリをドライブした際のものだった。現役F1ドライバーのなかで、ルーキー達を除けば、表彰台未経験は角田裕毅とリアム・ローソンのみとなっている。

この状況に対し、F1解説者で96年チャンピオン、デイモン・ヒルはSky Sportsで、デイビッド・クロフトとともにこの話題に言及した。クロフトは、ヒュルケンベルグの記録を“受け継いだ”ドライバーについてこう語った。

エイドリアン・スーティル(2007~2014)128戦
ピエルルイジ・マルティニ(1984~1995)118戦
フィリップ・アリオー(1984~1994)109戦
角田裕毅(2021~)99戦

「エイドリアン・スーティル、立ち上がって一礼してくれ。F1史上、表彰台なしの最多出走という称号は君のものになった」

これを受けてヒルが反応した。

「でも、今も走っているドライバーでいえば角田裕毅だ。彼は99戦していまだ表彰台がないんだ。信じられない。僕には、なぜ彼が表彰台に届いていないのか理解できない」

「彼もその記録(スーティルの記録)を破ってしまう可能性がある。だけど、ニコ(ヒュルケンベルグ)ほどにはならないと思うけどね」

また、番組ではF1における日本人ドライバーの通算記録にも言及された。

「日本という国は、これまでF1世界選手権グランプリに500回参戦していて、一度も勝利を挙げていない。これは他のどの国よりも多い」とクロフトは語った。

「我々がシルバーストンでイギリス人として25回目の勝利を祝う一方で、日本はちょうど500戦目を無勝利で迎えてしまった」