カナダでの勝利を含む好調な序盤戦を経て、メルセデスのジョージ・ラッセルは、ベルギーGPの5位を「今季最悪のパフォーマンス」と断言した。W16は戦闘力を大きく落とし、ラッセルの直近3戦の結果は5位、10位、そして再び5位と精彩を欠いている。

スパでの低調な走りは、極端な暑さが原因だった以前の問題とは異なり、コンディションが湿潤だっただけに、メルセデスの苦境をさらに浮き彫りにした。

ラッセルは優勝したオスカー・ピアストリから34.863秒遅れでフィニッシュ。独走状態にあるマクラーレンは別としても、4位のマックス・フェルスタッペンとの間にも13秒のギャップが開いた。

ドライバーズランキング4位の座をシャルル・ルクレールに脅かされる状況で、ラッセルはレース後、厳しい表情で語った。

「順位だけ見れば最大限の結果だけど、パフォーマンスの面ではかなりがっかりだ。何が起きているのか、なぜこんなに後退したのかを本当に理解する必要がある。今日のようなコンディションは、僕たちのクルマにとって理想的なはずなのに、それでも今季最悪の走りになった。」

「今週、チームでしっかりと腰を据えて話し合わなければならないと思っている。」

ラッセルが疑っているのは、バルセロナで行われたフロントウイングの変更だった。

「バルセロナでフロントウイングを変えたのは明らかだ。その後、それに対応するために少し方向性を変えたんだけど、明らかにそこから大きく後退している。」

「単純に、シーズン序盤の仕様に戻すだけで改善する可能性もある。もちろんフロントウイングは元に戻せないけど、それ以外のセットアップについては検討できる。」

「今はクルマのフィーリングが以前ほど良くない。リアの安定感が足りなくて、シーズン序盤のほうが運転しやすかった。キミ(アントネッリ)と僕の両方が、クルマの挙動が難しくなっているせいでミスが増えている。」