ケビン・マグヌッセンがハースでの最終レースを前に、2025年シーズンからBMWモータースポーツのワークスドライバーとして新たなキャリアをスタートさせることが発表された。マグヌッセンはBMWの「M Hybrid V8」を駆ることが決定しており、その具体的なプログラムは未定ながら、世界耐久選手権(WEC)またはIMSAスポーツカー選手権に参戦する可能性が高い。

この発表により、ハースが2024年に向けてエステバン・オコンとオリー・ベアマンという新たなラインアップを採用する中、マグヌッセンの未来が明確になった。一方、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグはザウバーに移籍する。

マグヌッセンは過去に2021年のIMSAキャンペーンや父ヤン・マグヌッセンと共に「ル・マン24時間レース」に参戦した経験があり、スポーツカーレースでの実績をさらに築くチャンスを得た形である。

アブダビでの最終レースを前に、彼はこう語った。

「F1以外にも、昔からファンだった素晴らしいレースがある。父がスポーツカーのレーサーだったので、僕が覚えている限り、ずっとスポーツカーレースの世界で育ってきたんだ。
父をサポートしながらそのレースを観に行き、子供の頃からこうした素晴らしいイベントで走る夢を抱いていた。
もちろんF1が僕の最大の夢であり、目標だった。F1にたどり着いて10年間走り続けてきたけれど、今がそのキャリアを終える良いタイミングだ。まだ若いし、32歳だからこれからもレースに勝つ時間は十分にある。」

BMWモータースポーツ責任者のアンドレアス・ルース氏も、マグヌッセンの加入を歓迎した。

「彼のLMDhプログラムへの参加は素晴らしい補強である。彼は過去10年間にわたりF1という最高峰の舞台でスピードを証明してきた。彼の豊富な経験は我々のプロジェクトにとって大きな資産となる。」

現在のF1シーズンでは、マグヌッセンとヒュルケンベルグの二人でハースに54ポイントをもたらしているが、アルピーヌには5ポイント差をつけられており、最終戦を迎える。

マグヌッセンは、バレンティーノ・ロッシや元フォーミュラEドライバーのレネ・ラスト、ロビン・フラインス、IMSA記録保持者のビル・オーバレンといった経験豊富な競技者たちと共に、新たな挑戦を迎える。

F1ドライバーとしての10年にわたるキャリアに終止符を打つ形となるが、彼は過去に2016年と2022年の2回復帰しており、今回が「最後の別れ」になると語っている。

「実は今回がF1での3度目のラストレースなんだ。2014年末、2020年末、そして今回は3度目になる。もう慣れてきた感じさえするよ!
気分は良いよ。これまでの2回と同じで特別なものだ。というのも、これが最後の一回だと考えながら全ての行動をするからね。
最後だと思うと特別な感覚があるし、今回は本当に最後だと思う。日曜日に車を降りるとき、『これで本当に終わりだ』と感じるのは奇妙な気分だろうね。」