キャデラックF1が、ついにF1で初めての走行テストを完了した。舞台はイタリア・イモラ。ドライバーはセルジオ・ペレスで、2026年シーズンのデビューに向けた準備が本格的に始まった。
チームが運営システムを確認する貴重な機会であり、ペレスにとっても新しいチームやレースエンジニアとの信頼関係を築くための第一歩となった。実車こそ自前ではなかったが、フェラーリからSF-23をレンタルし、この2日間のテストに臨んだ。
ペレスはオールブラックのレーシングスーツを身にまとい、マシンのカラーリングと統一感を演出した。テストにはフェラーリのTPCチーム(テスト・プログラム・クルー)も協力しており、マシンの管理と運用を担当した。通常、SF-23はフェラーリがTPC走行で使用している車両であり、今回は両メーカー間の特別な取り決めにより貸し出された形だ。
舞台裏では、キャデラックがオースティン、メキシコ、ブラジルでのレースに仮想的に参加する形で、実戦シミュレーションを実施していたことが明かされた。アメリカとイギリスの両拠点でプログラムを完遂し、体制を整えていたという。また今回のテストには、バルテリ・ボッタスがメルセデスとの契約上、走行できない状態であるため、ペレスのみの走行となった。
ペレスはこの間、アメリカとイギリスの両拠点を行き来し、シミュレーター走行を重ねてきた。最近ではシルバーストンの拠点で2026年仕様のマシンのシート合わせを済ませ、さらにフェラーリのマラネロ本社も訪れ、今回のイモラ・テストに向けた準備を整えた。
ペレスにとっては、2024年シーズン終了時にレッドブルを離れて以来、初めてF1マシンを走らせる機会となった。キャデラックが今後さらにテストを行うのか、またアブダビで行われるポストシーズンテストに参加するかは未定だ。チームは1月に予定されている公式テストに向けて、着々と準備を進めている。このテストでは、全11チームがバルセロナで2026年仕様のマシンを走らせることになっている。セルジオ・ペレスは以下のようなコメントを残した。
「こうして実際に走ることができて本当にうれしいし、タイミングとしても完璧だと思う。1月の公式テストの直前というのも理想的だ」
「この2日間で、まずはフィジカル面でどれくらい衰えているのか、どこを強化すべきかを見極めたい。冬のトレーニングに向けて明確な指針になると思う」
「それに、チームやエンジニア、メカニックたちと一緒に仕事を始めて、お互いに共通の言葉で意思疎通できるようにする大事なチャンスでもある。僕たちにとって、まさに最高のタイミングだ」

