キャデラックのF1プロジェクトが、イモラで実走テストに踏み出した。ステアリングを握ったのはセルジオ・ペレスで、マシンはフェラーリが貸与した2023年型SF-23。黒一色の外観でテスト・オブ・ア・プリビアス・カー(TPC)規定に則り走行し、2026年参戦へ向けた実地オペレーションの第一歩を刻んだ。

伊メディアの報道によれば、フェラーリ側のスタッフ約30人がキャデラック側20人とともにイモラのピット16~17番ガレージを準備。極力匿名で進める意図があったが、テスト情報が伝わったことで注目を集めた。

自前の現行規定車を持たない新規参入組にとって、TPCを活用した走行はシミュレーション作業からの脱却に直結する。今回の走行では、ピット作業や運用手順、エンジニアリング側のデータ取得作業の運用が主眼とみられる。イモラでの周回で、発進手順やロングランの基礎確認など即効性の高い学習機会となったとみられる。

報道各社は現地映像やフォトレポートも公開しており、テストの全容は今後さらに明らかになる見込みだ。初動の手応えを踏まえ、キャデラックは2026年のデビューへ実戦的な準備段階に入ったと言える。