アルピーヌのピエール・ガスリーは、ベルギーGPのスプリント予選中に発生した角田裕毅との走行妨害疑惑に関して、FIAが調査を行った結果、ペナルティを免れた。

スチュワードが明かしたところによると、角田自身がガスリーに不利な処分が下されないように擁護する発言を行い、「走行を妨害されたとは感じなかった」と主張したという。

ガスリーはスパでの土曜スプリントレースに向けた予選で、8番グリッドを確保する好パフォーマンスを見せた。

アルピーヌのチームラジオでは、SQ2のラップを終えた直後に満面の笑みを浮かべながら次のように叫んだ。

「最高のラップだった!通過できたって言ってくれ!」

しかしその後、予選中継では映らなかったブランシモン(ターン17)での角田との接近により、グリッド降格のリスクにさらされることとなった。ブランシモンは、サーキット内でも屈指の高速区間として知られている。

ガスリーと角田は、アルピーヌとレッドブルのチーム代表と共に、ベルギー現地時間17時45分にスチュワードによる聴取を受けた。

最終的にFIAは、土曜スプリントへのグリッド降格処分を科さず、追加措置を取らないと発表した。

スチュワードの公式見解によれば、角田がガスリーをかばい、妨害はなかったと証言したことが判断に大きく影響した。スチュワードの声明にはこう記されている。

「スチュワードは、カーナンバー22(角田裕毅)、カーナンバー10(ピエール・ガスリー)、両チームの代表からの聴取を行い、車両位置/マーシャリングシステムのデータ、ビデオ映像、タイミング、テレメトリー、オンボード映像を精査した。」

「カーナンバー22(角田裕毅)のドライバーは、実際にはカーナンバー10(ピエール・ガスリー)のマシンからスリップストリーム(トウ)を得ており、減速する必要はなかったと証言した。この内容はテレメトリーデータによって確認された。」

さらに、彼は妨害を受けたとは感じておらず、回避行動も取る必要がなかったと述べた。以上を踏まえ、スチュワードは『不必要な妨害』が発生していないと判断し、追加措置を講じないことを決定した。