
角田裕毅が、カナダGPのフリー走行3回目における赤旗中の違反により、決勝レースで10グリッド降格のペナルティを受けることが決定した。
このセッションは、全体の約半分を過ぎた頃に中断された。原因は“チャンピオンズ・ウォール”付近で発生した破片によるもので、最初にキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグがバリアに接触し、その後マクラーレンのオスカー・ピアストリも壁にかすめる形で接触。これにより、ピアストリのマシンはパンクを起こした。
スチュワードは、角田が「損傷のあるマシンで左側をゆっくり走っていたCar 81(ピアストリ)を視認していた」と報告したうえで、角田が次のように説明したと記している。
「Car 81からの破片が飛んでくるかもしれないと思って、それが怖くて追い越す判断をしたんだ」
しかし、スチュワードがテレメトリとデータを精査した結果、ピアストリのマシンは時速86kmで走行していた一方で、角田のレッドブルは追い越しの瞬間、時速171kmに達していたことが判明した。
スチュワードはその報告書で次のように述べている。
「この件を慎重に検討した結果、Car 81には明らかな問題があったが、そのスピードはCar 22(角田)が安全な距離を保って追従することを妨げるものではなかった」
「状況を総合的に見て、Car 22のドライバーがCar 81を追い越したことに対して、正当な理由は見当たらない」
また、同じ赤旗中に発生したキック・ザウバーのガブリエル・ボルトレートに関するインシデントについても調査が行われたが、こちらについては追加措置を取る必要はないと判断された。

