
オランダ国王ウィレム・アレクサンダーが、2026年での終了が決まっているF1オランダGPについて、「将来的な再登場は排除できない」と語った。民間主導で公的支援のない大会の厳しい台所事情を「理解はするが、F1が再び消えるのは残念だ」と述べつつ、家族とともにグリッドを歩きながら「あと2回は楽しめる。そのあとは戻る可能性も」と含みを持たせ。
背景には、主催者側が高騰する開催コストと開催候補地の国際的な競争を理由に撤退を表明している事実がある。F1とプロモーターは契約を1年延長し、最終年は2026年と公式化済みだ。欧州でも珍しい「政府補助なし」のモデルで続けるには負担が重く、付加価値税引き上げなど外部要因も追い打ちとなった。昨今のF1レース開催は、サーキット運営事業者の観点での事業性は低くなっている。多額の投資が前提となるうえに、開催に漕ぎつけるには世界中の名だたるサーキットと争わなければならない。収益は高騰しているチケットの販売~チャンピオンシップの盛り上がりや地元ドライバーなど、運に任せた要素もある。
一方で、地元人気と“持続可能な移動設計”~オランダGPは鉄道・自転車での来場に限定した~という運営は注目を集めた。とはいえ2025年は金曜時点で満員に届かないなど熱気の鈍化も指摘される。スター人気だけに依存せず、資金調達の再設計(公的関与や企業連携、価格戦略の見直し)と、開催ローテーションなど柔軟なカレンダー運用が復活への現実解だろう。