オランダGP決勝でメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリがフェラーリのシャルル・ルクレールと接触し、ペナルティ10秒を加算され16位に後退した件で、トト・ウォルフ代表は「長期的な信頼は変わらない」と強調した。今季は学びの年との認識を改めて示し、「速さを持ち、学び、点を獲るドライバーが必要だ。大物ドライバーでもミスはする。我々の信頼は長期的に100%だ」とコメントしている。

ウォルフは「イタリアのファンは、限界まで攻めるイタリア人ドライバーを望んでいる。ためらう姿は見たくない」とも発言し、果敢な勝負姿勢を後押し。「抱きしめたくなるような生まれ持ったスピードがある」と擁護した。来季2026年もジョージ・ラッセルとの体制継続を示唆し、契約手続きは静かな形で進める方針を明かした。

当のアントネッリは、ターン3での仕掛けを「少し楽観的だった」と反省し、「次は100%決められる確信がなければ行かない」とコメント。レース後はフェラーリのホスピタリティを訪れ、フレデリック・ヴァスール代表らに謝罪の言葉を伝えたという。チームメイトのラッセルは序盤のルクレールとの攻防でマシンに傷を負いながらも4位完走。「あのコーナー外側でのオーバーテイクは現実的ではなかった」と振り返った。

メルセデスは、若きイタリア人の荒削りな速さには上振れと下振れの振幅があるとして受け止め、モンツァ以降の立て直しに取り組む。短期の失点よりも、2026年に向けた成長曲線を最優先する姿勢だ。