メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、キミ・アントネッリへの信頼を変わらず示しながらも、モンツァでのパフォーマンスに対して厳しい評価を下した。

アントネッリはアルボンとボルトレートの後ろ、9位でフィニッシュしたが、ウォルフは金曜日のミスやアルピーヌのピエール・ガスリーに遅れを取った点を問題視した。

メルセデスでルーキーシーズンを戦うアントネッリは苦しい日々を過ごしており、ウォルフも2025年は経験を積む過程で頭を抱える瞬間があることを受け入れていると繰り返し語ってきた。しかし、これまで予想以上に挫折が続いており、イタリアGP後、ウォルフは初めてアントネッリの走りを公然と批判した。

FP2序盤にグラベルに捕まり出鼻をくじかれたアントネッリは、土曜にはチームメイトのジョージ・ラッセルと並んで3列目からスタートする健闘を見せた。だが、決勝を終えてみればラッセルとの差は4ポジション、27秒という結果だった。ウォルフの表情は厳しかった。

「今週末は期待外れだった、期待外れだ。グラベルに突っ込んでおいて、そこから上位にいられるはずがない。レース全体が期待外れだった。だからといって僕の彼への支援や未来への自信が揺らぐわけではない。彼が本当に素晴らしいドライバーになると信じている。でも、今日は期待外れだった」

ラッセルとアントネッリの差

モンツァでは特に、ガスリー相手にタイムを失った点がウォルフの不満を招いた。

アントネッリが「クリーンな週末」を過ごせていないのではという問いに、ウォルフはこう答えた。

「クリーンな週末というのは、以前のミスを次のセッションや次の週末に引きずらないことだ。あの時オフになったコーナーでは、もう攻めきれなくなる。あるいは、ガスリーのように本来なら相手にすべきでないドライバーに阻まれてしまう。これはルクレールの時もそうだった。キミはガスリーに1秒でも失ってはいけなかったんだ」

2026年の大規模なレギュレーション変更に備え、アントネッリをどう立ち直らせるか。その問いにウォルフは答えた。

「彼を解放することだ。もっと自由に走らせる。彼は素晴らしいドライバーだ。信じられない能力と天性の才を持っている。彼は本物のレーサーだ。全て揃っている。ただ、余計な重荷を取り除く必要がある」

モンツァを終えたアントネッリは、ドライバーズランキングでアルボンに抜かれ8位に後退した。