アレクサンダー・アルボンは、もしシーズン序盤に大量得点を重ね、終盤に失速したアストンマーティンのような展開をウィリアムズが実現できていたなら、今季の結果はより良いものになっていただろうと考えている。
ウィリアムズはレースペースを見せる場面もあったが、ランキングで5位や6位を狙うには得点不足であった。さらに、シーズンを通して相次いだクラッシュが痛手となり、2025年以降を見据えた開発プログラムに影響を及ぼしたことも大きかった。コストキャップの面でも負荷がかかり、結果的に9位でのフィニッシュを強いられたのだ。アルボンによれば、唯一投入したアップグレードは有効だったが、そこから十分に活かしきれなかったとする。そして、序盤にポイントを積み上げ、シーズン後半に落ちたとしても、アストンマーティンのような形であればまだ良かったはずだという。
シルバーストンに拠点を置くアストンマーティンは、開幕から好スタートを切ったものの終盤には失速した。しかしシーズン前半に稼いだポイントが功を奏し、最終的にはコンストラクターズ選手権5位を確保した。アルボンは、短期的な結果よりも2026年のF1シーズンに向けた長期的な成功を見据えているため、大きな失望は感じていないようだ。
「全体的な意見としては、少し失われたチャンスがあったと感じている、といったところだ。後半戦やクラッシュに目を向けがちだが、実際のところ我々はシーズン序盤からマシンが重量超過だった。もっと多くのポイントを序盤に獲得できたはずだし、本来はもっと稼ぐべきだったと思う。我々には一つだけアップグレードがあって、あれは良いアップグレードだった。」
「そしてシーズン中盤はまずまずの形になった。もともと、将来にフォーカスして早い段階で来年に集中するという計画だったから、その時点で多くのチームに追い抜かれてしまった。もし我々がもう少し序盤から強かったら、アストンがやったように序盤にピークがあって終盤に落ち着いたとしても、それでも堅実なシーズンになったと思うが、現実にはそうならなかった。」
「最終的には、そこまで落胆していない。自分は長期的な視点でここにいる。短期的な成功ではなく、長期的な成功を見据えてここにいるから、今の状況でも満足している。確かに思ったより時間はかかっているかもしれないが、ミッドフィールド上位で戦うだけではなく、もっと上を目指したいという大きな目標があるのは嬉しいことだ。だから、我々が何年も何度も犠牲を払っているのは、そのためでもある。」
ウィリアムズはランキング9位に終わったものの、チームとアルボンの視線はすでに将来へ向いている。2026年のF1シーズンでの飛躍を狙う彼らが、これからどのような戦略を打ち出していくのかが注目されるところである。